- 【 講談社ストアはこちら 】 -累計750万部を突破した大人気コミック『宇宙兄弟』や、『のだめカンタービレ』や『ホタルノヒカリ』といった名作を次々と生み出した雑誌『Kiss』の20周年特集など今注目のタイトルや特集は講談社ストアへ。
登録情報
|
そんなこの本を手にとって、まずは数ページ読む。すると多分、彼の内面に違和感を覚える方がほとんどだろう。
それは、彼の内面があまりにも私たちの思う『10歳の男の子』とはかけ離れているからだ。
しかし、本当にそうであろうか?
私たちが10歳だったころ、漠然とした大人への対抗心のようなものがあっただろう。自分は自分だという確かな確信があっただろう。何でもできる、という感覚だってあっただろう。
創貴ほど極端な形でなくとも、誰もが、心の奥底に彼と同じものを抱えて10歳を過ごしてきたのだと、私は思う。
それが、この物語にはいっぱい詰まっている。
私たちが「無邪気」と決め付けて、閉じ込めてしまった『10歳』の気持ちは、たしかにここにあると思う。
主役は、わずか10歳(小学生)にしてどうしようもないほどの大志(むしろ野望)を抱いてしまった供犠創貴(くぎきずたか)と「魔法の国」長崎からやってきた魔法使い・水倉りすか(10歳)。
ぶっちゃけ、何をやっているのかというと、(穏便な言い方で)悪い魔法使い退治とりすかの親父さん探し。
なわけですが、その過程が、「これが、10歳の子供を主人公とした物語か」と戦慄してしまうようなものでして。
ファンタジーとしてしまうには少々、刺激が強いです。何よりも、創貴の思考(人格?)とアダルトなりすかちゃんが、ですが。
『戯言シリーズ』と比べると、いや、比べても内容の完成度は変わりません。『戯言シリーズ』のいーちゃんと比べると『りすかシリーズ』の視点である創貴は、考え方が(当然ながら)幼く、ある種、いーちゃんよりも鈍いところがあるわけなのですが、その分、大胆でとても前向きです。そして何よりも『恐ろしい』。他の西尾氏の、どのシリーズの、どの登場人物たちよりも、この話の、このシリーズの登場人物たちよりも『恐ろしい』。子供ゆえの、純粋さゆえの、無邪気ゆえの、邪気ゆえの恐ろしさか。その恐ろしさは、もちろん創貴だけではなく、りすかも所有しております。
西尾維新は、また恐ろしい子供たちを、面白い物語をつくり出したものです。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|