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最も参考になったカスタマーレビュー
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「癒しの島」沖縄に残された現実,
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レビュー対象商品: 新書 沖縄読本 (講談社現代新書) (新書)
健康食、癒し、音楽……沖縄の魅力を笑いとともに満載した名著「沖縄ナンクル読本 (講談社文庫)」などの沖縄本を次々ヒットさせ、2000年代の沖縄ブームのトリガーを引いた著者たちが、ブームを終えて政治の季節に入った沖縄に何が残ったのか、「ナンクル」の続編として検証した本。「ナンクル」にあったほのぼのしたチャンプルー感は皆無だが、真剣に沖縄に向き合って欲しいという編者らの思いが伝わる。あきらめ、ためらいがちなツーリストでありながら、自分の目で確かめ、食い下がろうという記者の視点も持つ下川。「ナンクル」で見せたダメオヤジキャラをかなぐり捨て、沖縄差別や基地問題に怒りをぶちまける仲村。「ナンクル」同様、本書でも癒し感漂う気だるい飲み屋やホテルを歩きながらも、沖縄独立論を鋭く斬り、独立派と激論を交わす篠原。出口のない「沖縄問題」が三者三様の視点で書かれている。3人の中で、下川の担当節を深く読んだ。東京に移住していた老人が、「復帰前の沖縄在住者は国民年金に加入していたものと見なす」という特例を活用して、年金を受給できるように下川が奔走したドキュメントから、今も「復帰」を背負う沖縄を照らし出そうとする。ほかにも、県大会決勝で散った八重山商工の夏、先島移住組が島の社会・経済に残した傷など、味わいのある筆致で多面的に沖縄の今を記している。 基地、移住、貧困など、非常に濃い本書の内容は、沖縄好きには考えさせられずにはいられない。巻末の沖縄本ガイドも丁寧なコメントで沖縄への理解を深める助けになる。なお、「本書を書くきっかけになった」と本書冒頭で紹介する「沖縄イメージの誕生―青い海のカルチュラル・スタディーズ」も、「本土による沖縄の見られ方」というユニークな視点で、下川らを含む沖縄の観光メディアを論じていて非常に面白い。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
”癒しの島”への反省,
By hanaohanao (空襲で焼けちゃったあたり) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 新書 沖縄読本 (講談社現代新書) (新書)
90年代の”癒しの島”としての沖縄ブームを牽引した下川、仲村、篠原さんが、それを反省的に捉えた新書である。特にリーマン・ショック以降、沖縄の経済的な混迷は深まっている。移住者を当てにしたビジネスは縮小をせまられ、現実とイメージは乖離し続けている。本書で著者等は、貧困、盛り場と風俗、移住者とウチナンチュの対立、戦後の台湾との密貿易、離島の離島、米軍基地(辺野古)、貧困問題、年金の沖縄特例、鶴見の沖縄人街、沖縄からの海外移民などを正面から取り上げる。巻末には、沖縄に関する真摯な文献リストと解説が付されており、自らが90年代の沖縄ブームで演出した”癒しの島”を掘り崩し、より真剣に沖縄に向き合おうという姿勢が伝わってくる。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
グレーゾーン沖縄を見事に映し出す,
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レビュー対象商品: 新書 沖縄読本 (講談社現代新書) (新書)
(ー_ー)!!この10数年の沖縄を語る本というと、学者のある分野に特化した専門書は別にして、内地・アメリカへのガチンコの怒りに満ちた本と(これはずっと以前からありました)、はんなり・ゆるやか・テーゲー! 沖縄、いいとこ一度はおいで本と両極端な傾向にありました。 後者は実は「ちゅらさん」ブーム爆発前からあって、内地のエディターや出版社が火をつけたのですが、そのきっかけは、実はウチナーンチューのユニークな出版社ボーダー・インクの影響力や大。本土の盾となった沖縄戦、戦後の基地問題だけではない沖縄の豊饒な文化、ウチナーンチューがもつ内地にはない面白さについての本を相次いで出していった。 ф 注→テレビドラマ『ちゅらさん』のすごいところは「戦争」ということを一切消し去ったドラマだということです。 そもそも、沖縄の人々も両極端なのです。ウチナーン・マスコミ、教育関係者、エリート公務員、銀行、沖縄電力・・・(の一部)はガチンコの人が多い。 一方、町や村で会う心ほぐれる笑顔の「沖縄人」。そのふたつの世界の落差(いや格差といってもいい)、沖縄につきあうほどに、それは痛いほど感じてくるはずです。 ガチンコの反ヤマトと、さあ笑顔を作るぞという気負いのない笑顔の沖縄人。もっとも鳩山迷走総理のおかげで、その落差はいくぶん狭まった気もします。さんざん気を持たせて、あれですからね。もちろんガチンコのほうにですよ。今はそのほうがよろしいと私は思う。 では、沖縄の政治家・官僚は、どうか? 本土マスコミが描くような「弱者」ではないですよ。案外したたかである。内地の人々を見透かしているところがある。 仲井間県知事が、本土権力中枢の高官を迎える映像を見れば一目瞭然である。知事のほうが「まあ、おすわんなさい」という上から目線である。 石原東京知事、今話題の橋下大阪知事を除けば沖縄県知事の「権力」の凄みは、現地で取材している本土マスコミ関係者が唖然とするほどです。実際、エライ。行政スタッフもしっかり知事の権威を守るためにフォローする。あんまり「弱者」目線で沖縄の行政を見ていると、いつの間にか足をすくわれます。 話は飛びますが、沖縄高校野球の強さはもはや「全国区」である。甲子園初登場の頃の「弱いチーム」を応援しようなんて気持ちは、もはやない。高校野球関係者が一番よく知ってることである。侮れないというレヴェルではない。実際、強い。今夏、甲子園初出場の糸満はあっさり敗退したが、あれはこの数年の沖縄勢の強さから考えるに例外的な出来事です。 本書を通して感じたのは、そういう沖縄のしたたかな、かつしなやかな「リアル」であり、それでも、やっぱり、あのゆるやかさが好きという「沖縄幻想」の間のグレーゾーンを映し出したことだと思われます。 沖縄の人は沖縄を語ることが好きである。内地でも関西、鹿児島、福岡、横浜とか、ないではないが、その愛憎の濃度たるや、半端ではない。対抗できるのは大阪くらいではあるまいか? 魅力にあふれた、コンプレックスとは無縁なトポスになったのである。ウチナーンチューの中高年「インテリ」(沖縄ではこの言葉は悪口の形容ではない)には、こうした「時代状況」に戸惑う人も多い。なんせ戦後何年も屈辱の思いを強制されてきたのだもの。 本書は、「今の等身大の沖縄」を気負うことなく描いた一冊だ。 下川、仲村、加えて篠原の文章は、それぞれ違う方向を向きながら、まとめて読むと「ほどよい」加減で今の島のリアルが垣間見えるのである。
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5つ星のうち 5.0
「癒しの島」沖縄の虚と実
沖縄をいわゆる「癒しの島」として売り出すに当たって大きな役割を果たしたと自負する著者たちが、... 続きを読む
投稿日: 12か月前 投稿者: Gori
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