本書で紹介される様々なアプリや道具類を全て使いこなすのは至難の業かも知れない。
しかし著者が言わんとするのは、「便利だから色々使ってみて」というレベルの話ではない。
著者はそれぞれのアプリを導入し、仕事や生活、発生入手する情報のマネジメントに使ってみて、
自分にとって価値のある使い方を見出し成果につなげるべく「行動」する。
ダウンロードしただけでは何も変わらない。
考え、手を動かし、インプットとアウトプットを繰り返して、自分を成長させるための道具として使うのだ。
そしてそれはiPhone やiPadといった「供給側から予め使い方を与えられていない製品」にとって
極めて適切な使い方でもある。
情報管理系の仕事で様々な企業に行くが、ワークフローの意味を理解している人は多くはない。
情シスは無論分っていると思うが、他部門の商談だとそれがIT系業種でも何をどうしたいのか
あまり理解されていないことがしばしばだ。
こういった場合、仕事の多くが断片的な事象として点在し、全体の流れや効率性は犠牲になっている。
きちんとプロセスを整理して配置しなおし、システムに載せれば効率良く無駄な情報や手間が発生しないのに、
と思うが社内調整やコストの問題でそのままそっとしておかれる。
大抵は今のやり方を変えたくないのが本心だ。
本書の意味するところは「自分自身のワークフローを自力で構築する」というものだと思う。
クラウドを情報やタスクの保管先に設定し、その間で各種アプリを活用して、
自分の目的・目標に向けて行動を管理したりスキルアップをはかるための仕組み=ワークフローを構築するのだ。
それは「やろう」という意思と行動なくして成立しない。かくして、行動する者/しない者、
こうしたツールを活用できる者/できない者との間で新たなデジタルデバイドが
静かに急激に生まれていることを感じる。
このままではまずい、という危機感をお持ちの方にはぜひ一読をお勧めします。