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新教養主義宣言 (河出文庫)
 
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新教養主義宣言 (河出文庫) [文庫]

山形 浩生
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「日本的四畳半ウサギ小屋的せまさ」に行き詰まっている現実も、ちょっと物の見方を変えれば可能性に満ちている。文化、経済、情報、社会、あらゆる分野をまたにかけて、でかい態度にリリシズムをひそませた明晰な日本語で、いま必要な新たなる“教養”を読者の脳裏にたたき込む。二十一世紀の日本人必読の書。

内容(「MARC」データベースより)

経済、社会、サイエンス、コンピュータ、メディア、文学などの分野を網羅しながら、いま必要とされる教養のあり方を探り、来るべき21世紀へ向けた、新しい教養=価値体系の再構築をめざす。〈ソフトカバー〉 --このテキストは、 単行本(ソフトカバー) 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 331ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2007/04)
  • ISBN-10: 4309408443
  • ISBN-13: 978-4309408446
  • 発売日: 2007/04
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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68 人中、57人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 玉石混淆。しかし、見るべきものはある。, 2002/5/28
OpenBSDに関する解説や『伽藍とバザール』の翻訳で知られる山形氏の一般向けの本ということでかなり期待して読んだ。感想は一言でいうと玉石混淆。

まず、かなりの割合を占める、SFその他、マイナーな知的動向に関する評論がある。これらは、氏の守備範囲の広さを示すものではあろう。一部、意図してデタラメを書いているようである。ただ、この部分の善し悪しは、評者には評価不能。

明らかに出来が悪いのは、インタビュー形式の投資論の部分である。あまりに一方的と思われる記述もある。内容も、MBAレベルのファイナンスを越えていない。初等的なファイナンス知識をもって通俗本の批判をするというのは、ファイナンスの知識のある人がやりがちな娯楽だろう。しかし、ファイナンスや経済学の初歩的な理論の切れ味は、ある意味、その理論の限界でもある。その点に関する自覚なしに、切れ味のよい道具を振り回す文章は、とくに傲慢な文体で書かれると、みっともない印象を与える。

概して、社会科学系の文章は粗雑である。しかし、民主主義や選挙制度、権利に関する文章は、重要な内容や面白い提案を含んでいる。とくに、反民主主義的な記述は、学級会民主主義に辟易している読者に強くアピールするだろう。もっとも、権利に関する議論は荒っぽすぎる。いいたいことはわかるし、内容には、おおむね賛成でもあるのだが、やはり、もうちょっと精緻化が必要だろう。

経済に関する文章も、消費税アップ、ネット上の民営国家など、それなりに背景のある面白い議論がなされている。ただ、圧倒的な喰い足りなさが残った。胡となる議論を直観的によく把握している人なだけに、もっと詳細な分析と解説が望まれる。山形氏の、経済に関する長い文章があれば、ぜひ読んでみたい。

圧巻は「メディアと怪談とインターネット」である。この洞察は深くて鋭い。メディアと人間との関係を考える人の必読文献だろうと思う。最近は、ウェブやメールアドレスを持ったまま亡くなる人が出てきて、氏の予言が一部現実になってきている。書かれた時点が90年代半ばだということを考えると空恐ろしい気がする。この手の話を書かせたら、氏はやはり、超一流の書き手だと思った。

冒頭のマニフェストは、かなり楽しい文章である。この人は、左翼臭のないニューアカ残党というか、伝統的な学問や思考方法の重要性をちゃんとわかっていながら、スッチャカスッチャカやっている人なんだという気がする。「エリート主義」だといいながら、上位一割とか二割とかいう、非常に緩い規準の話をする。案外、目線が庶民的だといえよう。また、衒学的なこけおどしがない点も評価できる。

惜しむらくは、文体に一部、マガジンハウス的なクリシェが混じる。文体が命の人だけに、このあたりには慎重であってほしい。

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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 そこにいてもつまんねぇだろ、お前もこっち側にこいよと挑発する本, 2010/6/5
By 
倒錯委員長 "今田祐介" (横浜市と夢半ば) - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 新教養主義宣言 (河出文庫) (文庫)
 本書は批評家(?)の山形浩生のエッセイ集の文庫版。ウェブ上での天上天下唯我独尊キャラそのままに、各所方面に対する意見やアイデアを書き飛ばしている。HP上の文章の再録も多いが、本人曰わく書き下ろしも三分の一ほど含まれている。

 この人ほどその仕事が分野にとらわれない人もあまりいない。情報論やネット論はともかく、ドンヨリした日本経済をぱっと活性化させるための“あの施策”やら、民主主義の根幹を揺さぶるような“あのアイデア”まで、この人にとって分野や領域や専門性とは、言ってる側が恥ずかしくなるほど無意味に帰すものなのかも知れない。

 もちろんそんな快刀乱麻の活躍を彼に許すのは、膨大な知識量と“教養”という裏打ちがあってこそ。反面、初読者の中にはこの「不遜な文体」を読み進めていくうちに、本を地面に叩きつけたい衝動に駆られる人もいるかもしれない(というかほどんどそっちかも)。だがそういう人は思いとどまって、もう一度この本を注視してみよう。

 山形氏を形作っているものを注意深くたぐっていくと、おそらく最後に残るのは、知への純粋なる好奇心だ。「おもしれぇ」と感じる喜び。本書に収められた書評を読めばわかるのは、同じ映画でも、同じマンガでも、前提知識の過多は対象をつまらなくはさせない。むしろその「おもしろさ」をより豊かなものにするのだ。それをこの著者は、パフォーマティブに発散している。それに行間から聞こえてくる。お前ももっとすんごい世界に来いよって(え、聞こえない?そういうあなたはもう一度プロローグを丹念に読み直してみよう)。

 ただ惜しむらくは、「あとがき」に「真っ赤なウソやデタラメ、誇張や歪曲も含まれている」とあること。いや別にそんなの分かっているという話で、こんな文言を入れてしまったのは、後からバカやアホにたかられるのをめんどくさがったからか?こういったところで、山形氏が奇才になりきれない秀才なんじゃないかと、評者は思うのだ。
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12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 高校の図書館の本棚にさりげなく置いてあって欲しい本, 2010/1/1
By 
(京都府伏見区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 新教養主義宣言 (河出文庫) (文庫)
10年前に私は就職して、下宿先でこの本をドキドキしながら読んだの
を覚えています。まえがきに、この本の中身は少なくとも10年は
持つということが書かれていて、エラい強気な予測だーと
思いつつ読みふけりました。でも本当に予測はあたっていました。
昨年末、リターンズが街の本屋さんに並んでいて電車で読みながら、
やっぱりこの本を読み返したくなりました。読み返してみたら、
やっぱりすごかった。この本には減量した直後のボクサーのような
切れ味があるのです。私はリターンズよりこの本がずっと好きです。
高校の図書館に、できれば推薦図書とかじゃなくて、奥にひっそり、
でも目立つように置いておいて欲しい本です。
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