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新戦争論―グローバル時代の組織的暴力
 
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新戦争論―グローバル時代の組織的暴力 [単行本]

メアリー カルドー , 山本 武彦 , 渡部 正樹
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

冷戦後,なぜ戦争はなくならないのか.戦争形態が変貌した理由は何か.そして今,戦争の脅威が更に高まりつつある要因とは何か.本書では,気鋭の平和研究者が従来型の戦争論を越えた地平にある旧ユーゴ紛争から9.11事件の前兆までを射程に入れ,諸紛争の背後に暴力の連鎖の必然性を見出し,戦争阻止の可能性を考察した.

内容(「BOOK」データベースより)

冷戦終結後、軍事革命とグローバリゼーションの下で戦争は劇的に変貌した。旧来の戦争イメージでは、「新しい戦争」を認識できない。本書は、気鋭の平和研究者が、地球規模の諸紛争を分析し、新たな戦争を定式化した注目の書。そして戦争阻止の方途を展望した論点は、今まさに現実世界の中で試されようとしている。九・一一事件を分析した日本語版新稿も収録。

登録情報

  • 単行本: 298ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2003/1/27)
  • ISBN-10: 4000233785
  • ISBN-13: 978-4000233781
  • 発売日: 2003/1/27
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
本書の表題の一部でもある「新しい戦争」というテーマは、カルドアがかなり以前からあたためてきたものである。本書の主たるテーマが、「古典的な戦争」から「新しい戦争」へ、という戦争の変容にある事は容易に見て取れるが、カルドアは単に主権国家間での戦争が内戦、低水準紛争、テロといった非国家的主体による戦争へと変化した事実だけを述べているわけではない。いつものことであるが、カルドアの分析の優れたところは、戦争という事象を恐ろしく多面的に把握している点だと思う。経済(軍産複合体、地下経済)との関係、アイデンティティの問題、NGOやマフィアの役割などなど。そして、カルドア最大の嘆きは、戦争と平和の境界線が無くなってしまったことに向けられている。こうした多面的な分析は、現場をよく知るカルドアならではのものではないか。カルドアは、しかし、絶望しない。あくまでも人間の理性を信じるカルドアは、具体的かつ高邁な対策を次々と私たちに突きつけてくるのである。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By bons VINE™ メンバー
形式:単行本
筆者は、グローバリズムの影響によってこれまでの戦争の理論が劇的に変化し

ていると捉えている。これは「新しい戦争(new war)」であり、従来の「旧

い戦争」の姿から変貌を遂げており、これまでの理論と異なる新しい理論の構

築がなされている。

新しい戦争の特徴は、「暴力の私有化」によって起因している。その方法はゲ

リラ戦やテロのような、「恐怖と憎悪」を生み出すことを目的としている。ま

たグローバル化された戦争経済は、戦争の論理が経済の機能の中に組み込まれ

ることになり、従来の社会関係が悪化することになる。

これは、飛躍しすぎの理論である。全ての局面においてそのような傾向がある

ことは否定しないが、それは戦争の理論を根底から揺るがすほどの変化となっ

て現れていない。現在においても圧倒的な暴力は国家が保有しており、戦争の

目的は「恐怖と憎悪」を生み出すためだけでなく、地域の制圧も依然として重

要な任務である。戦争経済論は、なぜこのような結論に至るかが、わからない。

現代経済は本当に暴力の継続を必要としているのだろうか。

戦争形態の変化の分析としては、示唆に富む記述であるが、幾分その変化を過

大に評価していると、私は思う。テロリズム研究を専門とする私にとって、こ

のような変化の重要性は見過ごせないもので、それを鋭く指摘している点には

共感を覚える。だが、それが全ての戦争の特徴であるとは思えないし、今後の

統治形態を「大きく」改める必要性も感じない。将来には、筆者が予測したよ

うな未来が訪れるかもしれないが、現在の段階で結論を出すのは早急だろう。
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By Fernald
形式:単行本
 本書は1999年に書かれたにもかかわらず、9・11以後ようやく世界中で認識されるようになった「新しい戦争」の特徴を完璧に描ききっているため、高い評価を得ている書物である。ヨーロッパの国際政治学者らしく、「新しい戦争」に哲学的にアプローチし、「旧い戦争」では暴力は政治の手段でしかなかったが、「新しい戦争」では暴力それ自身が政治的な機能を持っている点を喝破している(例えば、9・11でのビル爆破は、アメリカを滅ぼすための軍事行為などではなく、むしろ政治的なメッセージを持つものだった)。コスモポリタン・アプローチという筆者の議論は、読んでいて恥ずかしくなるほど理想主義的であるし、今の日本やアメリカではいかにも左翼的だとして見向きもされないだろうが、傾聴に値する箇所もある。

 ただ、私はそもそも「新しい戦争」をプレイアップする考え方に懐疑的である。この種の戦争が起こっているのは所詮「周辺」においてなのであって、これらの戦争が国際システムを変えることはあり得ないだろう。例えば、昨今のグルジアでの紛争が世界的に大ニュースになっているが、これはこの戦争がロシアという大国が関わっており、さらに二つの国家間の争いである古典的な戦争であるからだと言っては言いすぎだろうか?確かに「新しい戦争」は起こっているのだが、それがどれだけ国際政治にインパクトを与えているのか、という分析も必要であろう。また、本書はボスニア戦争をケース・スタディとしているが、西欧中心主義を暗に批判している筆者がヨーロッパの紛争を自論の論拠としているのは、自己矛盾であろう。
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