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最も参考になったカスタマーレビュー
28 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
第九条の発案者は???,
By 沈思黙考 (兵庫県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 新憲法の誕生 (中公文庫) (文庫)
日本国憲法の生い立ちが、ようやく腑に落ちた。GHQから高い評価を受けた憲法研究会の中心に高野岩三郎・鈴木安蔵がいた。 その一方で、宮沢俊義(国体護持の松本烝治乙案起草者)の変節ぶりには、呆れるやら情けないやら・・・ マッカーサーから吉田茂への書簡(1947・1・3)を紹介したい。 マッカーサーは、憲法をもう一度自由に改正していいと言い切っていたのである。 ホイットニーに「これ(GHQ案)がなければ天皇の身体の保障をすることはできない」と、GHQ案の受け入れを迫られたと述べた松本烝治の自由党憲法調査会における証言(1954・7)は、日本国憲法を「押しつけ」とする主張の究極の論拠となったきた訳だが、ジョン・ダワー著「敗北を抱きしめて」で紹介されていたように、敗戦後、圧倒的多数を占める庶民の心には、天皇崇拝思想など見る影もなく消え失せてしまっていたのである。 「押しつけ」られたのは、松本烝治はじめ戦争を引き起こしてきた為政者たちであり、庶民ではなかった訳である。
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
憲法を考えるためにも、憲法を知ろう!,
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レビュー対象商品: 新憲法の誕生 (中公文庫) (文庫)
憲法成立過程についての良書と言えます。文章も平易です。憲法改正の流れが増す昨今の情勢の中、世の中の流れや勢いに流されずに 自分の意見を持つためには、日本国憲法とはどのようなものか、という知 識のほかに、日本国憲法はどのようにしてできたのか、という知識が必要 不可欠です。憲法について正しい知識を持つことは、自分の意見に説得力 を持たせることにもなります。 憲法について何も知らないままでは、感情論ですべてを判断してしまうこ とになります。しかし、感情も大切ですが、憲法という日本のあり方を決 めるものについて考える際には、客観的な知識を知る必要があるのではな いでしょうか? 本書は、客観的な事実に基づいて、憲法の成立過程や「押しつけ」論が述 べられています。その際、著者の意見を押し付けるのではなく、事実に基 づいて考えるなら、こうならざるを得ないというような論じ方がされてい ます。つまり、とても客観的な説明がされているのです。ですから、憲法 についての意見は人それぞれですが、どのような意見を持っている方に も、説得的に読めると思います。 本書の内容の方向性は・・・ 「押しつけ」論について、それはなかったと言わざるを得ない、という事 実が述べられています。私たち日本人は、自ら憲法を作ったのだと言え る、ということが事実に基づいて述べられています。勿論、アメリカの関 与を否定するのではありません。しかし、それでも、「押しつけ」論を否 定しうるということが述べられています。 憲法の成立過程を知ることは、政府与党に流れている憲法観を理解するう えでも役に立ちます。 又、憲法を中心にした昭和史としても楽しめるのではないでしょうか。 初学者や、憲法について疎い方に対しても、本書はやさしく語りかけてく れると思います。是非、お勧めしたいです。
12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
改憲を論じる前に考える,
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レビュー対象商品: 新憲法の誕生 (中公文庫) (文庫)
日本占領期の憲法制定過程の全貌を明らかにし、日本国憲法の意味を問い直していく。本書を通して、日本国憲法は勝者によって押し付けられたとする見方があまりにも皮相かつ単純であることがわかる。例えば、第二章に詳述されているように、様々な民間草案を仔細に見ていくと、後のGHQ案に近い案もあった。それらの案にはGHQも深い関心を示していたという。 「日本国憲法を生み出した力、それは決して国家対国家の、勝者対敗者の政治力学からだけではなかった。制定過程への関与の、その大小はあったにせよ、本質的にはその個々人の憲法観、人権思想に他ならなかった。日本国憲法には国家を超え、民族を超えた人々の、憲法観、人権思想が反映されている。」(P387) また、天皇制の護持を目標とする日本の保守指導層は、日本への厳しい懲罰を主張する国際世論を懐柔し、「国体」を護持するために、連合国の要求する「非軍事化」と「民主化」を受容していく。国際世論と極東委員会が軍国主義の象徴として認識する天皇制を保持するには、徹底的な非軍事化しかない、そのような配慮に基づき戦争放棄条項が憲法に組み込まれた。9条と1条は不可分にリンクしているのである。この点においても事実は「押し付け」という単純な枠組みでは捉えられないことが分かる。 このように、本書には、「日米合作」ともしばしば称される戦後日本の起源について実に興味深い事実が指摘されている。ダワーの『敗北を抱きしめて』(岩波)と並んで占領期の日本に関心のある方には決して外せない一冊であろう。また、今後の日本のあり方を考える上でも必読である。改憲が目前に迫る今、「押し付け」論者達のように感情的に一気呵成にことを進める前に、ここはまず原点に戻って憲法制定過程における「国家を超え、民族を超えた人々の、憲法観、人権思想」を再検討し、本当に「時代遅れ」なのか議論したいところである。
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