2冊の前作と決定的に異なる点は、舞台となる時代が、今人類が生きているこの時代であること。つまり地図を見るとまったくもって現在の地球と同じということ。
そしてそこに人類(及びそれに準じる知能を持った生物)が居ないということが前提なので、固有の地名などが極力出てきません。
6500万年前に絶滅しなかった恐竜が進化・適応を続けて生き続けているパラレルワールドの地球上の地名は、例えば「ニュージーランド」なら、巨大な島大陸の東沖にある南北対の島・・・等と表現される。
頭の中では「ニュージーランド」と認識しているのに、あくまで本分では人類が付けた名詞は出てこない。
登場する生物達の紹介でもそうだ。地理的・気候的に現在の地球に適応して生きているので、我々のよく知っている生物に酷似した姿の恐竜の子孫も登場するが、読み手の頭では分かっていても、絶対に「その名」は出てこない。
あくまでパラレルワールドであり、何かのきっかけでそうなっていたかも知れない世界なのだ。
そのもどかしさとリアルさが、この本を単なる想像のSF作品とは一線を画する所以であり、読み手を引き込む力なのだと感じました。