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新徴組
 
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新徴組 [単行本]

佐藤 賢一
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

沖田総司の義兄、林太郎。使命感に燃える道場仲間を横目に無難第一を決め込むつもりが、生き別れの総司によく似た“庄内藩きっての神童”酒井吉之丞との出会いにより、時代の渦に飲み込まれていく…最新鋭の洋式軍となって鶴岡を戦火から守った新徴組の軌跡を、愛する家族を守るため、自分の殻を破ろうともがく男の姿に重ねて描く感動の歴史ロマン。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐藤 賢一
1968年山形県鶴岡市生まれ。山形大学教育学部を卒業後、東北大学大学院文学研究科で西洋史学を専攻。93年『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞、99年『王妃の離婚』(集英社)で第121回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 480ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/08)
  • ISBN-10: 410428002X
  • ISBN-13: 978-4104280025
  • 発売日: 2010/08
  • 商品の寸法: 19.2 x 13 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
1862年、江戸で結成された浪士組は、 将軍警護を目的に京都へ向かいますが、隊を率いる勤王家清河八郎と幕府側との思惑の違いから、分裂。京都に残った近藤勇たちは、やがて新選組を結成することになりますが、江戸に戻った浪士組は新徴組に改組され、出羽庄内藩(現山形県鶴岡)のあずかりとなる。
一字違いの新選組と新徴組は、いわば兄弟か従兄弟同士のような存在。新徴組は江戸では市中警備に活躍(なんと「おまわりさん」の起源も新徴組だとか)、大政奉還後は庄内で戊辰戦争を戦うことに。
新選組に隠れた「影」のような存在だった新徴組に、見事に光が当てられました。主人公は新徴組隊士で沖田総司の義兄、沖田林太郎。もう一人の主人公は、戊辰戦争で庄内藩二番大隊を率い、各地で西軍(新政府軍)を撃退、「鬼玄蕃」と怖れられた酒井吉之丞。文句無しのエンターテイメント作品であるとともに、薩長ではなく、東北の側からみたこの戦争の本質をとらえた快著です。
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形式:単行本
新徴組とは、尊皇攘夷あるいは倒幕運動によって日本が正しく激動の渦中にあった江戸時代後期に結成された江戸幕府による警備組織。この浪士組のうち、京都に残留して治安維持活動を行った一団が、あの有名な新撰組である。本作では沖田総司の義兄で、新徴組の組頭も務めた沖田林太郎の視点からの「幕末」が描かれる。個性的な人物像や派手な逸話に事欠かない新撰組に対して、おそらく文献的にも非常に乏しいだろうこの新徴組という素材を、しかし佐藤賢一はうまく料理している。なにより嬉しいのは、『女信長』では不足がちだったジェットコースターのような感情の乱高下を伴う描写が、ここではビシバシと炸裂していること。この乱暴なまでの昂揚感は、ちょっと他では味わえない。

庄内藩預かりとなって江戸市中警護に尽力し、やがて東北の地へ転戦し官軍との激闘を繰り広げる新徴組。その渦中にあって義弟・沖田総司の身を案じ続け、同様に実の息子・芳太郎との関係にも心を砕く林太郎の姿にギュッと胸を掴まれる。そこには攘夷や勤皇といった理想や大義へ簡単に淫することのない強さが見える。と同時に、守るべき"本当に大切なもの"が身近に肉薄しているだけに、その剣は「後ろ向き」にならざるをえない。物語は、そんな林太郎が己の剣を取り戻していくサマを、著者特有の時代と共振するかの如きダイナミックなグルーヴに巻き込みながら展開して魅せる。これが、面白くないわけがない。人間的に非常に親しみを感じる庄内藩士の人柄や、藩の若き重役/酒井吉之丞の天才性と豊かな人間味など、林太郎と周囲との素晴らしい関係性で読み手をその内に惹き込みつつ、物語は息を呑むクライマックスへと雪崩れ込んでいく。葛藤や混沌ののち、色々なものが「通じて」視えたラストが、なんだかとても良かった。あぁ、この人は日本史の分野でも十分に闘えるなぁと思った快作。と同時に、『小説フランス革命シリーズ』やその他と並行してこんな作品が書けてしまう作者の異能っぷりに恐れ入りました。
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By yuishi トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
新撰組の元になったのが清川八郎により組織された「浪士隊」であったことは有名な話だが、近藤勇ら新撰組の創設メンバーを残し江戸に戻った「浪士隊」のその後の顛末はあまり知られていない。その後、庄内藩預かりとなり「新徴組」と名を変え、江戸市中警護にあたり戊辰戦争まで戦うことになっていたことは本作で始めて知った。

作品は沖田総司の義兄、この新徴隊に属した沖田林太郎の目を通して描かれる。
描かれるのは新徴組の顛末、それから庄内藩の若き俊英、酒井玄蕃。20代の若さだが、戊辰戦争では無類の将才を発揮し官軍に連戦連勝、鬼玄蕃と恐れられた人物だ。

作品のほうだが、著者のいつものスタイルが頑なまでに踏襲され、主人公を中心とした人物の視点の下での描写が続く。多少、視点の持ち主は変えてはくるが、変化自在とまではいかない。普通の小説や、エンタテイメント色が強い歴史小説であればこれでもいいのかも知れないが、本作のように史実の則り歴史の動きを背景にした歴史小説の場合では、この視点の固定化は、描写の自由度が無くなり、読んでいても見通しの悪さが常につきまとう。
著者の「フランス革命」シリーズでも同様だが、そこまで人称問題を律儀に守らなくてもいいのではないか、という印象が残る。

かといってエンタテイメント色が強い歴史小説のように、登場人物が魅力的に描かれているかというとそれも弱い。公正に描いているとも言えるが、人物の描写への踏み込みが2、3歩足りないイメージだ。主人公沖田林太郎はじめ、キャラが立っていないというべきか。酒井玄蕃など、幕末の動乱期に綺羅星の如く現れた幾多の人物群の中でも決してひけをとらない資質がある人物と思われるが、十分に生かしきれてない。
その分、人物への感情移入も弱い。なんとも残念。
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