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新平等社会―「希望格差」を超えて (文春文庫)
 
 

新平等社会―「希望格差」を超えて (文春文庫) [文庫]

山田 昌弘
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (19件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

新平等社会
「家族社会学」という学問の視点から格差問題に取り組むのは、東京学芸大学の山田昌弘教授だ。生産性の高い仕事に就く者と就けない者、その結果として豊かな生活を築く者と築けない者の違いを単純に比較するだけでは、格差問題の本質は見えないと言う。

深刻なのは、生産性の低い仕事に就くが故に生活に窮している状態から、「いくら努力しても、いつまで経っても脱することができない人」が増えていることだと指摘する。さらに、こうした者同士が家族を形成すれば、自分の子供の将来にすら、希望が持てなくなる。著者はこうした負の連鎖を「希望格差」と呼び、この国の活力を急速に奪い取っていると憂える。

では、現在の日本社会に必要な平等性とは何か。著者は自由経済がもたらす「結果の格差」を認めつつも、市場原理にすべてを委ねることをよしとしない。競争原理を前提とする一方で、参入機会の平等、及び能力開発機会の平等をあらゆる人に担保することが、「希望格差」を緩和すると説く。収入の格差については、税や社会保障以外に、家族形態別に生じる不平等を補うような分配のシステムが必要だと訴える。非婚化や少子化、高齢化は、「希望を喪失した家族」の増加を加速させると警鐘を鳴らす。


(日経ビジネス 2006/10/30 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
--このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

日本における格差の拡大は一体どこまで進んでいるのか?ベストセラー『パラサイト・シングルの時代』『希望格差社会』の著者が、ワーキング・プア化する若者、「中流」の崩壊と貧困母子家庭の急増、貧困高齢者の「底抜け」など具体例を挙げつつ、その処方箋を示す。混迷する現代社会に希望を与える刮目の書。

登録情報

  • 文庫: 295ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2009/02)
  • ISBN-10: 4167736020
  • ISBN-13: 978-4167736026
  • 発売日: 2009/02
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (19件のカスタマーレビュー)
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By vatmideo トップ500レビュアー
形式:文庫
「格差」のある社会を論じた本ですが、現状の悲惨を紹介するのではなく、そうなった社会構造と歴史を、説得力を持って説明しています。格差といえば紹介される「ジニ係数」についても、その数字を鵜呑みにするのではなく、統計学的な注意点を述べた上で数字を分析しています。要するに格差といっても、仕事、年齢、結婚、家族構成、教育など様々な要因があり、それぞれが連関し、それらを分析して対策を立てる必要があることを示しています。
本書は2部構成で、書き下ろしの第1部では日本の社会全体を論じ、第2部では第1部と重複はあるものの各論を述べています。さらに「おわりに」では本書の全体を俯瞰したまとめとなっており、読むべきかと迷っている方は「おわりに」を立ち読みされるとよいでしょう。
格差をなくす方法も示されていますが、具体的ではありませんが、「ヒント」とはなりそうです。
このレビューは参考になりましたか?
30 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:単行本
最近「格差社会」という事が良く言われる。本書はその傾向を煽ったり、解決法を安易に提示したりしないで、冷静に分析している点がまず好ましい。副題として「希望格差」という言葉があるが、これはこういう事である。かつて、格差と言えば資本家と労働者とか、地主と小作農とか言った"階級の差"を主に指していた。今の日本にそうした差がゼロとは言わないが、諸外国に比べて僅差になっているのは確かだろう。そういう意味では望むべき社会になっているのだが、逆にそれが新たな格差を産む要因を孕んでいるという事である。

今の日本は豊かで、特に親の世代が豊かなのでフリーターや引きこもりの存在が許容される。しかし、当人自身が豊かとは決して言えない。一方、女性の社会進出が盛んになり、特に能力・やる気の高い女性は、やはり能力の高い男性と出会い結婚する確率が高いため、そうした家庭(人)は豊かになる。これが新しい"格差"である。本人の気持ち次第という面もあるので、著者は「希望格差」と呼んでいるのであろう。

学歴、やる気の問題等は個人の問題という面もあるが、家庭環境、友人関係、社会環境等に影響される部分も多い。本書では、それらを対処可能な問題、対処が難しい問題に分け分析をしている。処方箋を明示するという形ではないので、物足りないと感じる人もいるかもしれないが、まずは問題を見据えようという姿勢か。「格差問題」に冷静に対応しようとした良書。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 本書は、ニューエコノミーによって生じた「格差社会」を元に戻すことは不可能にしても、希望格差が固定化する社会だけは何とかしなければならないという主張を展開し、そのための対策(できること、すべきこと)を世に問う提言書です。

 山田氏の分析によると、ニューエコノミー社会の仕事は、高い専門性が要求される専門中核労働と、マニュアル通りに働けばよい定型作業労働に二分されます。
 専門中核労働者の報酬は上昇していき、定型作業労働者の時給は増えませんから、経済格差は開く一方です。だからといって、いまさら労働環境を昔の状態に戻すことはできません。国際競争力をつけるためにも、生産性の低い人に高い賃金を払い続けることはできなくなってしまったのです。

 山田氏が専門とする家族社会学の目で見ると、この20年〜30年で、家族のかたちは、以前のように「正社員の夫+専業主婦の核家族」「自営業の大家族」の二つに分類できていた時代と違い、多様な家族形態が増えてきました。
 たとえ「正社員+専業主婦」モデルが少なくなって共働き夫婦が増えていても、そして、同じ共働きでも給料の多い夫婦と給料の少ない夫婦の生活に差が生じていても、家族のかたちが多様になってきたのですからもう後戻りはできません。
 ただ、親の世代に生じた格差が子どもの世代に引き継がれること、それによって格差が固定化し、希望を失う人が増える社会だけは避けなければなりません。

 山田氏が示す対策案も書かれていました。それぞれ、ごもっともなご意見ではありますが、著者が社会的問題点を指摘するときのような鋭さが感じられません。やはり、問題点を見つけるのは簡単でも、解決するとなると一筋縄ではいかないのですね。

少子化対策ひとつとってみても、一刻の猶予もありません。
希望がもてない状況に追い込まれている人々が、現実に目の前にいるのですから。
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納得の1冊です
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投稿日: 2007/4/1 投稿者: まえちゃん
格差がなぜ生まれるのかを説明する
山田氏はベストセラー「希望格差社会」の著者です。

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投稿日: 2007/3/15 投稿者: 蔵研也
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