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新左翼とロスジェネ (集英社新書 488C)
 
 

新左翼とロスジェネ (集英社新書 488C) [新書]

鈴木 英生
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

雨宮処凛氏推薦!
革命家?理想主義者?それとも「自分探し」?
ここには、壮絶な「世界への片思い」が描かれている。
二〇〇八年、未曾有の『蟹工船』ブームが巻き起こった。この現象は、若年貧困層らが抱く不満や、連帯への渇望を表しているのだろうか? また、巷に蔓延する閉塞感と八〇年前のプロレタリア文学の世界をつなぐバトンの在り処とは? 本書は、一九七五年生まれロスト・ジェネレーション(失われた世代)のジャーナリストが、戦後の新左翼運動とその周辺を描いた文学を紹介しつつ現代の連帯を模索した、注目作である。キーワードは―「自分探し」!

内容(「BOOK」データベースより)

二〇〇八年、未曾有の『蟹工船』ブームが巻き起こった。この現象は、若年貧困層らが抱く不満や、連帯への渇望を表しているのだろうか?また、巷に蔓延する閉塞感と八〇年前のプロレタリア文学の世界をつなぐバトンの在り処とは?本書は、一九七五年生まれ“ロスト・ジェネレーション”(失われた世代)のジャーナリストが、戦後の新左翼運動とその周辺を描いた文学を紹介しつつ現代の連帯を模索した、注目作である。キーワードは―「自分探し」。

登録情報

  • 新書: 214ページ
  • 出版社: 集英社 (2009/4/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 408720488X
  • ISBN-13: 978-4087204889
  • 発売日: 2009/4/17
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Moral Minority VINE™ メンバー
形式:新書
大変読みやすく、しかも面白い新左翼本だと思う。私見では「細かすぎず適当すぎない」その内容は新左翼史、あるいは新左翼自体の「入門」としては最適なものである。

あとがきによれば著者は、著者(75年生まれ)と同世代とそれより下の「若者」が新左翼を知るための「ブックガイド」を目指したそうだ。実際本書は常に多数の文献に触れており、あの時代に有名だった人間や本、さらにはその後書かれた必読的な新左翼本も基本的なものは大方知る事ができるように思う。既に知っているという人なら何でもないのかもしれないが、高橋和巳と聞いてもピンとこず『憂鬱なる党派』と聞いても「ああ!」とならず『われらの時代』も分からず、『二十歳の原点』も『狼煙を見よ』も知らず、あの保守論客の西部邁が元新左翼である事すら、そしてその西部邁が新左翼時代を振り返った本を出している事すら知らないような人がいるなら、そしてそういう人がしかし新左翼に興味は持っているとか、特別あるわけでもないがちょっと知ってみたい、というのなら、そういった基本的な文献が引用や解説付きで多数紹介されている(無論念のため言っておくが本の紹介本ではない。あくまで豊富な文献を参考に、それらの文献に盛んに言及し紹介し引用しながら、新左翼の前史から現代まで歴史を辿っていく本である。)本書は、新左翼を知るための出発点・入門として極めて有益なはずである。208頁には扱った文献が全て書いてあり、これもやはり便利である。本書が物足りないというのなら、本書で紹介される複数の文献を次のものとすればいいのである。

現在書店によくある新左翼本は当事者の回想録が多く、それは前提知識なしでは分かりにくいものが多い。内容も連合赤軍など一部に特化している。さらに通史本も新左翼の人々が何を思ってそんな事をしたのかを理解するのには向いていない。…というのが著者の認識だが、この流れでいくと恐らく著者は前提知識がなくても分かりやすく、一部に特化しているわけでもない仕方で新左翼の歴史を辿りつつ、しかも出来事・事件としての新左翼だけを記すのではなく、新左翼を支えた気分、精神を多数の引用などから明らかにし、より新左翼の精神を身近に感じられるよう努力した…と言っていいだろうか。この努力はある程度成功していると私は思う。

著者自らが押し出しているせいで「自分探し」をキーワードにしている新左翼本である事が良くも悪くも強調されているように思うが、私自身はそういうキーワードを殆ど気にしなくても面白く読む事ができた。またロスジェネとの関連性にあまり関心がなくても読める。著者自身はそれを大事にしていると思われるので、これはあまり良い読み方ではないのだが、最悪そういうところを無視して二章(戦前〜50年代)から八章(78年〜現在)までの150頁程度を読むだけでも十分勉強になるだろう。
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 貧困、派遣切り、「蟹工船」ブームといった時代状況の中で、ロスト・ジェネレーションでもあるジャーナリストが、求められている社会での連帯へのきっかけとなるものを提示するとして、新左翼運動を捉え直す本が出た。『新左翼とロスジェネ』鈴木英生著(集英社新書)である。これまでの同類書とは異なり、著者も断っている様に、新左翼理論史でもなければ通史でもない。「運動とその周辺を描いた広い意味での文学(評論や手記、回想記、声明などを含む)」を紹介して「物語」を紡ごうとしている。そしてそのキーワードとなるものは「自分探し」だという。
 なに! 現在流布するその言葉の概念の軟弱性に、オイラ一瞬カチンと来てしまったが、言い換えれば今の自分自身が「何を為すべきか」という問い掛けでもあり、たしかにそうした意思が新左翼に流れ込み、運動を活性化させたことは間違いない。例えば昭和42年「平凡パンチ」に連載されたデビュー当初の五木寛之の『青年は荒野をめざす』は、今から考えれば「自分探し」の旅の「物語」であり、昭和44年にヒットした『昭和ブルース』は「何もせずに生き、死んでゆくのは、たやすいことだが、それが自分にはつらいので、だれも探しに行かないものを自分は求めていく」という感情を切々と歌い上げている。つまりそうした意識や感情が、あの時代の多くの若者の心を捉えていたのだ。同時代を生きてきたオイラが言うのだから、これまた間違いないのだ。
 さて本書は新左翼運動の成立から消滅までを、著者の言う「文学」を梃子として誠実にまとめている。全共闘運動が消滅しても、そこにかかわった多くの人々が、労働運動、住民運動、反差別運動などの多くの分野の運動に携わっていったこともその通りである。ただ「全共闘は、ロックや映画、演劇などと共に六〇年代末のカウンターカルチャーの一翼を担うような位置にもいた。」(ジャズもあるでよ)と正当に指摘しながらも、周辺の「文学」にそれらを加えて「物語」を紡がなかったことにより、文化領域を排除して政治主義的側面が強調されてしまったような気がするのだ。
 新左翼学生運動の「自分探し」→「連帯」を今の青年層の「貧困」+「自分探し」と繋げることにより、「貧困」+「自分探し」→「連帯」とするという著者の結論は、新たな共同性の獲得という側面において、かつての全共闘がそうであったように文化領域が重要性を占めると思うのだ。ただ一挙に新たな共同性と連帯を獲得する手段も無いわけではない。ヨーロッパの青年層が繰り返す「暴動」である。それを言うオイラの方が政治主義的か。
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26 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
安田落城や連合赤軍の一連の事件で新左翼運動は「終わった」という強固な通念に闘いを挑む意欲作です。少なくとも私にはそう読めました。
新左翼学生運動の略史としても読めますが、著者の関心は歴史的な事実の確認よりも、第二次世界大戦後の学生運動が問い続けてきた問題の所在を探ることに向けられています。

追記:「自分探し」に引っかかる人が結構多いようなのですが、これは「つかみ」であって本筋ではありません。むしろ「自己否定」が、単なる主体の「抹殺」(文字通り、あるいは比喩的な意味で)につながるような形でしか理解されないとされる70年代後半以降の社会・思想状況の中に、そうでない要素を探すことが著者の狙いでしょう。じゃなきゃ反日武装戦線、三里塚、寄せ場、京都の学生運動からニューアカまでが一列に並ぶわけがありません。
アイデンティティ・ポリティクス、癒し、私の居場所はどこにあるの(という本がありましたが)…といった形以外にも「自己」あるいは「主体」をめぐって立つ「問い」があるのです。その系譜は今は限りなく薄い線になってしまっていますが、確かに存在します。
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