本作はほとんどが日本ロケで撮られている。歌舞伎町や新大久保といった「本場」にまでカメラを持ち込んでいるので、その緊迫感もウソっぽくない。作風としては、香港版の仁義なき戦いといったところで、密航船で入国したティエトウやアーチェが、新宿でのし上がっていく過程を描いている。ジャッキーはここしばらくハリウッド作品が多く、それもステレオタイプの役柄ばかり演らされていたから、久し振りの鬱憤晴らしになったのでは(笑)。やっぱりアジアのスターはアジア発信で世界へ出たほうがよいのだろう。アクションシーンはほんの数カットであり、ほぼ初めて「演技者・ジャッキー」を観ることができる。それからダニエル・ウー、竹中直人、加藤雅也の3人もカッコ良かった。中国では内容にクレームが付いたそうだが、逆にいえば日本人から観れば違和感がないということだ。自国のスターが日本寄りの作品に仕上げたのが問題だったのだろう。カメラは北信康と福本淳という、日本映画を支える黄金コンビが担当しており、迫力ある映像を堪能できる。北は「クローズ0」も撮っているし、最近はこのテの乱闘物(笑)が多いようだ。特典映像もメイキング、インタビューなど90分以上収録されており(SD画質だが)、見応えがある。星4つ。