宗教の本質は言うまでもなく「教え」にある。と、今まで思っていた。
この本を読むまでは・・・。
しかし、その実態はやはり「信仰」という目的を持った人々の集団であり、そこには必ず金の流れがある。
この本は宗教を一つのビジネスと捉え、様々なカネの流れとその集金システムという観点から分析している。
特に昔ながらの神社や寺など既成の宗教団体と、主に明治以降に興された「新宗教」との対比から述べられているところが興味深い。
昔ながらの集金システムであるお布施や賽銭、おみくじなどの販売から新宗教では大きく発展し、書籍や新聞の販売、家元制度に似たものに至るまでそれぞれ信仰心と関連付けられ独自のシステムを構築している。
一部の教団では信じられないくらいの巨額な資金が集まっており、「金あまり」という問題が起きているが、これも営利団体ではない以上、その扱いよういかんによっては教団幹部や創始者の腐敗につながり、結果的にはその教団自体の分裂・衰退を招いてしまう。
この場合、儲かっているということは必ずしも良いこととは言えず、そのためにどのような防止策が講じられるかが教団の発展にも影響してくるのである。
そうしたことも含めて考えると宗教とは「教え」そのものの正しさというよりはむしろどのように資金を集め何に使うかというビジネスモデルとしての側面が見えてくる。
この書ではまた、これらの宗教的ビジネスモデルが実際の経済活動にどのように適用できるかについての事例として「ヤマギシ会」などの農業共同生活や「アムウェイ」などのマルチ商法にも言及されており、大変興味深い。