本書は、「日本は学歴社会である(あった)」という固定観念を否定し、
日本は学歴というよりも、(政治家等を見ると)世襲を重視する傾向が
あること、そして「欧米は学歴ではなく実力社会である」という固定観念
も否定し、欧米で指導的立場に立つ人の学歴はほぼ例外なく高いことを
指摘する。その上で、国際の波の中で、今後は欧米式の「新学歴社会」が
到来することを主張している。
そのために、大学全入に突入し、学力低下が叫ばれる現在においても、
学歴をつけることは重要だという筆者の主張が繰り返し色濃く出ている。
その背後には、「受験勉強はその後の人生においても役立つものであり、
決して悪いものではない」というご自身の経験から得られた考えが底通
している。
以上のようなことを本書の大部分で主張し、最後には「新学歴社会をどう
生き抜くか」というテーマで締めている。
ただ、そこに書かれている内容は、いわゆる「受験」を意識した学習方略
やテクニックであり、本書を通して感じられる受験競争への支持や、
高校や大学の「格」や「ランク」に拘泥する傾向がある筆者の、いわゆる
「旧学歴」の考えからも、本書で述べられているものが本当に「新学歴」なのか、
またその新学歴社会というものが、日本社会にどう貢献するのかが
あまり見えてこない。
ただ、国際化の波を受けて、大学に対する捉え方も従来の見方から変わって
くるのは当然だろうし、今後の学歴社会を考える契機になる本である。