今回は上巻の続きで、休暇先で殺された怪しい男を発見した後、家に帰ってきてからウィルフリードとハルがまた事件に巻き込まれるストーリ。ついでにちらりと二人の仲がガタンと揺れるようなことも起こります。
ハルの心情よりも、ウィルフリードの心情が細かく書かれていて、彼の本音や、ちょっとまて!といろいろぐるぐる一人で悩んだり、フライトに諭されて何かに気づいたりと、すっかり大人なのにハルについては少年のように悩んでしまうお姿が、なんだかとても可愛かったです。
精神的にきつくて、ハルの身体に依存してしまうウィルフリードは、これまでのシリーズにはない彼の別の面を見せてくれて、新鮮に感じたと同時に、人物構成の奥が深い!
年上の彼にも当然こういうもろい部分もある。それを受け止めるハルは、この場面ではウィルより大人で、それからエロいシーンに突入するのですが、甘いというよりは切なくて、この閨シーン、じわじわと感動してしまいました。
キアランは相変わらずかっこいい女……いえ、男っぷりだったし、物語は最後のページまでワクワクさせてくれるような冒険めいた部分もあり、読むのに楽しい一冊でした。
あ、ちなみにこの下巻、上巻の内容を結構忘れていても、すんなり入り込めました。
うまく前回の内容がところどころ思い返しみたいに組み込まれていたからかもしれません。
さすがにこの後編だけ読む人はいないだろうけど、前編内容すっかり忘れたよ……という人でも大丈夫です。
もうひとつ「ちなみに」ですが、フライトさんのイラストがとてもよかったです。
なんだろ、すごく色気がある40代(には見えないけど)の真面目で頼りがいのあるかっこいい執事のイラストがありました。