日本の自動車評論は、乗用車雑誌の廃刊など飽和しているなか、
英国のトラック雑誌のような硬派なトラック評論はなぜか育たない。
そういうなか、ニューモデル解説シリーズの
1980年代初頭の刊行以来、
とうとうトラックが出た!!と思って手に取った。
本書では従来のニューモデル解説の通り
技術解説やデザイン評論を含めて、
開発者インタビューなど、トラックでもきちんと
車両開発の姿勢が垣間見える内容はとても好ましい。
たいへん硬派である。
新型キャンターだけでなく
エルフ、デュトロ、アトラスと、代表的各社の
2トン系小型枠で比較試乗されているのが見どころ。
ただしトラック独特の世界観にもとづいた
英国のトラック雑誌のような評論の観点がないのである。
(積載性、架装性、ドラポジ、視界、乗降性、
パワー感、直進安定性、走破性、微速性、
休憩時の快適さ、実用燃費、疲労感などといった観点)
またトラック独特の技術的視点や考察もなく
三菱ふそうの受け売りではないかとも取れるのは物足りない。
小型トラック評論については、乗用車視点でOKな部分が
あるのは認めるが、解説陣もトラック評論には限界があることを
自覚している記述もあったりが、なんとも残念。
ただ、本書のような硬派な、車両開発に寄ったトラック評論は、
ドライバーだけでなく、運行管理者や車両管理者、
会社社長、整備士から見ても貴重な質の高い情報となると思う。
こんどは大型トラックや中型トラック、バスの
ニューモデル解説を期待!!!なので、期待をこめて5点!