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新哲学入門 (岩波新書)
 
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新哲学入門 (岩波新書) [新書]

廣松 渉
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

哲学とはなにを解明しようとする学問なのか。近代哲学の行きづまり状況はいかにして打破されるべきか。従来の物的世界像から事的世界観への転回をはかって独自の哲学体系を構想し各方面に波紋を投じている著者が、認識、存在、実践の三つの側面から、私たちを捉えている近代的世界観の根底的批判を展開し、新しい知の枠組への案内を試みる。

登録情報

  • 新書: 221ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1988/1/20)
  • ISBN-10: 4004300053
  • ISBN-13: 978-4004300052
  • 発売日: 1988/1/20
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Tod
形式:新書
 日本哲学界の巨人、廣松渉による哲学入門書である。
 廣松による哲学入門書としてはほかに『哲学入門一歩前』(講談社現代新書)があるが、本書はそれよりも先に書かれており構成も若干異なる。初心者が読みやすさで選ぶのであれば『一歩前』をまず読むことをお薦めしたい。本書は入門書と呼ぶにはあまりにも内容が重厚であり、何も知らない読者がうかつに手を出すと火傷するおそれがある。
 だが廣松ファンが読むのであれば話は別である。入門書だからといってあなどってはいけない。新書版というコンパクトな体裁の中に、廣松哲学が過積載といってもいいくらい詰め込まれており、満腹どころか下手をすれば消化不良を起こすかも知れない。
「第一章 認識するとはどういうことか」「第二章 存在するとはどういうことか」「第三章 実践するとはどういうことか」のそれぞれが認識論、存在論、実践論に相当しているように見えはするが、第一章が全体の半分近くを占めている上に、存在論も実践論も認識論に吸収されてしまっている観は否めない。存在と存在の認識とは切り離すことができず、実践とは価値評価に基づく行為に過ぎないとする廣松らしい構成ではある。個人的には「人生劇場」の共同主観性を主張する廣松が、決定論をはっきりと否定しているのが興味深かった。
 だが実践論における価値評価に対しては一言物言いをつけたい。なるほどサンクションによって行為がある程度決定されることも、正義や道徳が間主観的に形成されることも確かではあろう。しかし道徳的行為の全てが外的拘束力に基づくのかというと、必ずしもそうは言えないのではないだろうか。例えば殺人に対する忌避は、刑罰ではなく同情に基づくのではないだろうか。
 初心者にはお薦めできないものの、ハイテンションな文体と豊富な語彙によって語られるその内容は、廣松哲学の圧倒的な深さと厚さを改めて思い知らせるに充分な迫力を備えており、さすがとしか言いようがない。未完に終わった『存在と意味』の構成を彷彿とさせる点でも貴重な一冊である。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 古本屋A トップ1000レビュアー
形式:新書
認識論、存在論、実践論、という比較的伝統的な区分に則りながら、著者の自説を分かりやすく展開している好著。未完に終わった「存在と意味」では、この最後の実践論の部分の詳述と発展は遂にならなかった。従って最後のところは、もし著者が逝去しておらず今でも存命(今年74歳の筈)だったらどんなことになっていただろうと興味尽きないところだ。認識論、存在論では、それまでの諸説を類型的に纏め上げ、その難を的確に衝く、という手法で、自説「四肢的構造」を説明する。著者の当時の卓越した能力を示している。読者は本書を読むことで、結果的に「学説史」「哲学的な見方」「著者自身の学説」三つを一度に手に入れる事が出来る。だが、「存在と意味」を読んでみると、実は本書で省略された細かく高度な議論が展開されており、本書のように纏め上げるまでの理論的裏づけの凄まじさを追認することになる。決して本書で事足りることは無い、と生前著者が言っていたことは、まさにこの点にあるのだな、と思う。本書最後の倫理的な価値観で、より高度な目標を掲げて実践することに高い位置を与える、という著者の自説は、尤もとは思うものの、だけどこれを言うために、これまでの議論をしてきたわけではあるまい、と拍子抜けの感が強い。これではいかにも左翼右翼両陣営共通の「近代的」倫理観に過ぎないわけで、新しい地平を拓いたり、新視座を提示したり、時代を診断したり、といった「思想」本来に期待される独創性という点では首をかしげることになる。「四肢構造」も、そのオリジンはヘーゲルの「精神現象学」にあることは明らかで、大きな独創性はどうも期待できそうに無い。そういう意味では、もう少し込み入った議論に創見があると思える。
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By kaizen #1殿堂
形式:新書
物理学を理解していない人、哲学が好きな人でなければ、決して分かりやすくない。
廣松渉の本の中では、分かりやすい方だという趣旨で分かりやすいだけである。

講談社の哲学入門の両方読んで、何も感じるところがなければ、他の本を読まない方がよいという意味で、
廣松渉入門だと思ってもいいかもしれない。

現代物理学の到達点は、物の認識を事として理解しようということだと知れば、いっきに理解が進むかもしれない。
物理学を勉強する人が、微積分の形式だけに捉われることがないように、するのに読むとよいかもしれない。
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