Base Ball Bearの4.0アルバム。極上のポップな楽曲たちが「一日の流れ」というアルバムコンセプトのもとに一貫性を持つことで彼らのバラエティ豊かなメロディーや詞が散らばること無く見事に纏まった作品。
以降全体の流れ。
「深朝」非常に緩やかに広く響くメロディーに乗せて、街がまだ薄ら蒼い一日の境目に想う悲しみとほんの少しの希望を唄い幕を開ける。
一転、渇いたギターサンドに乗せて変えられない毎日に対しての鬱憤をぶつけるような攻撃的な「ダビングデイズ」。(私は特に気に入ってます)
まるで朝の通勤途中に学生を見て当時を懐かしむような大人の目線に立った「school zone」から、
その当時の学生目線の「転校生」「スローモーションをもう一度」へ。懐かしさから過去へとトリップしたという流れが汲み取れる。
過去から現在へと移りつつザ・ベボベな甘酸っぱい青春ソング「short hair」。
後半一曲目「Tabibito in the dark」が絶妙。先までの情景描写を一切排した内省的な詞と、徐々に音が厚くなっていきサビで爆発する特徴的なメロディーで、自然と雰囲気が変わる→夜に移ったと印象づける曲。
そこからのアルバム1にキャッチーな応援ソング「ヒカリナ」が
太陽が落ちても光り輝く星空を思わせる。そのイメージがそのまま「夜空1/2」へ。小出と関根の分担ボーカル曲。
深夜に一人きりの自分自身の孤独と向かい合う「kodoku no synthesizer」。その落ちきった
自分自身を奮い立たせるアップナンバー「yoakemae」と続く。
ラストは7分近くに及ぶアルバムタイトル曲であり、ここまでの曲が大きな説得力となって
纏め上げられる「新呼吸」。
浮遊感漂う前半、早口に葛藤を歌う中盤、力強い歌い方とシンプルなバンドサウンドで前半と同じ歌詞でも覚悟が伝わってくる後半、ラララと唄いながらフェードアウト。で締めくくられる。(これが余りにも自然な深朝へのリピートを誘うという最後の最後まで徹底された演出です。)
コンセプトをもって制作されたことで詞・楽曲ともに「LOVE&POP」以上の統一感があり、
それがほどよい心地と中毒性を持ちリピートしている限り何周でも聴ける。
ただそれだけなら少し味気がないのだが随所にあるキャッチーなメロディーが更にいい刺激となっている。
正直言うとビックリした。3.0以降試行錯誤を繰り返す彼らがあまりに手探りなんじゃないか、と。
聴いた今、それはいらない心配だった。
紛れも無いBase Ball Bearの10周年に輝く傑作です。