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5つ星のうち 4.0
本書に登場する人々の系図が欲しいな,
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レビュー対象商品: 新古今集 後鳥羽院と定家の時代 (角川選書) (単行本)
本書に登場する人々の系図が欲しい。さらに、和歌用語の解説も巻末あたりに欲しい。読者の対象をどのあたりの人々と考えているのかが少し中途半端な気がする。古典の和歌に詳しくない読者にしてみると、少々、専門用語が多いか。そのあたりを勘案して四つ星評価…。
10 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
よく書けた新古今集の伝記,
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レビュー対象商品: 新古今集 後鳥羽院と定家の時代 (角川選書) (単行本)
久しぶりに中身の濃い本にめぐり合った気がする.この本は,なによりも新古今集についての本で,この燦然たる歌集こそが主人公,後鳥羽院とか定家とかは登場人物に過ぎない.だからこそこの本はその最後において大団円を迎え,めでたく終わることができたのだ,と感じ入った.これが普通の扱いだと,天才帝王と空気の読めない秀才貴族との間の,不毛な諍いの話で終り,絶対にめでたくはなれないのだ.私は昔から新古今が好きだったから,歌の解釈があってもなくても差支えはなかったが,一般の読者には文庫版でも良いから歌集を手許に置くことを薦めたい.ここまでの出来であるからこそ,私にはいささか注文がある.中身が濃いのは良いことだが,叙述に際してもう少し精神的なゆとりがほしかった.女房歌人宮内卿は惜しくも二十歳を迎える前に世を去ったものを,何故冷酷に貶す必要があったのか.宮内卿は私のひいきの歌人なので,冷たい記述を読まされて口惜しい思いをさせられた.それから地の文章がお茶の水を出て早稲田の教授になった教養ある国文学者としては如何かと思われるほどにリアルに現代調なのも気になる.学生から感染したのかな.まあ文句は文句として,強く推薦.
3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
定家を畏怖させた帝王後鳥羽院,
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レビュー対象商品: 新古今集 後鳥羽院と定家の時代 (角川選書) (単行本)
著者の田渕さんは、中世初期の和歌研究の第一線で活躍している方です。その専門とするところの、後鳥羽院と藤原定家という二大天才歌人を中心とする新古今集成立前後の時代の和歌や文化、政治状況を解説したものです。最新の研究成果を踏まえ、一般に知られていない史実を随所に織り込み(たとえば、順徳院は自死した(239頁)とか、四条天皇は悪戯で人を転ばそうと板敷に滑石の粉を塗っておいたところ、自分で転倒してしまい、その怪我がもとで急死したなど(265頁))、適度に具体的な和歌の鑑賞・批評を交えた、実にバランスよい、高レベルの読み物となっています。極めて実証的であり、かつ大胆に新説も主張し(たとえば、新古今集の成立を通説の建保4年1216から承元3〜4年1209〜1210に引き上げるべきだと主張しています(126頁))、かつ文章は繊細であるところも魅力です。和歌に対する繊細な鑑賞、批評を少々紹介します。 ・良経は天賦の才をもつ歌人であった。良経の和歌には、俊成とも定家とも違う、寂しくて艶な魅力がある。(25頁) ・俊成卿女の歌は、優艶で哀切な空間を創り上げていて、特に悲恋の歌に優れている。(52頁) ・宮内卿の歌の多くは、突き詰めた思考の果てに、知的な趣向と独創性を求めて表現されている。その言葉は過剰なほどの密度で理知的に構成され、叙情性に乏しい面も見られる。(58頁) ・内親王がいくつもの百首を詠むということだけでも、当時どれほど革新的なことだったろうか。式子の歌には強靭な精神の輝きがある。(66頁) この本の最大の眼目は、定家が怖くて仕方がなかったほどの、後鳥羽院のバイタリティ溢れる王者振り、そして和歌への執着ぶりを描くことにあったと思料します。 臣下の和歌会の企画を聞くと割り込んで自分の主催にしたり(84頁)、武芸、狩猟、水練を好むスポーツマンであったり(148頁)、当時禁止されていた銭の賭け事をしたり(157頁)、嘲弄するためにわざと古風な歌の詠み手を集めて歌合を催したり(175頁)、泳げない側近を船に押し込め一度に川へ落としてその様子を見て笑い興じたり(177頁)と、本当に異例な帝王でした。
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