銀行の組織運営の仕組みは、現場の創意工夫や自主性など「匠」と呼ぶべき個人の力に依存する面が多い。だが、企業経営を考えた場合、オペレーションを標準化してノウハウを蓄え、組織知に昇華させて活用する方が効率的である。銀行が追求すべき標準化されたオペレーションとして、本書はノンバンクをモデルに挙げる。信用リスクの判断方法、督促・回収の仕組み、店舗網の構築など、ノンバンクに学ぶべき点は多い。銀行は他の金融機関や一般企業よりも格上との意識を捨て、他産業の成功要因を分析し、自らの変革のきっかけとすべきだと説く。
著者は、銀行が過去の遺物でしかない「あるべき姿」にとらわれ、自縄自縛の状態に陥っていると分析する。新生銀行、東京スター銀行は経営破綻をきっかけに、前身の銀行がとらわれていた自縛を解き放った。規模縮小を断行した横浜銀行、法人営業へのこだわりを捨てたスルガ銀行など、果敢に経営改革を進める地方銀行も出始めている。自縛を解き、市場動向の変化に応じた合理性を追求することはトップの責務だと指摘する。
(日経ビジネス 2004/06/21 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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本書は、ノンバンクのいいところを取り込んで、有望な個人マーケットに進出すべしと書いているが、だから具体的に何が優れているのかということについてあまりに内容が薄い。
筆者の能力に問題がないとすれば、明らかに「出し惜しみ」の書といえる。
その後、我が国経済は膨れ上がり、そしてぺちゃんこになったが、その盛衰の典型が我が国の銀行であることは、誰の目にも明らかだろう。
コンサルタント会社の言うことを聞かなかったからそうなったのか、聞いたからかは不明ながら、顧客の盛衰にコンサルタント会社は影響されないということが、今もなおこうした本が大々的に売り出されることからも良く分かる。
銀行とノンバンクの違いは、リスクを欲しない国民の資産(預金)の面倒をみる必要の有無にある。この国の人にとって、預金は増えるものであっても決して減るものではない。そして投資は堅気のやることではないと考えている。そういうしがらみを、この著者はどれだけ分かってモノを言っているのかというのが、第一の感想である。そんな虫のいい国民の言い分を聞いていたのでは、商売にならないということなのだろう。
コンサルタント会社なら、そういう主張もできるだろう。今の銀行はできない。題名が「新」銀行論となっているのは、含蓄深い。
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