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著者は、小林秀雄の『考えるヒント』の各章のタイトルをなぞりつつ、さまざまなトピックについて考察を重ねていく。神の存在を信じる、という話題から掘り起こし、科学一辺倒の社会に警鐘を鳴らす「常識」。大衆に消費される言葉のあり方を嘆きながら、言葉の持つ魔術に改めて感心する「読者」など、全15編を収録。決してやさしい内容ではないのだが、小林秀雄ゆずりの洒脱な言い回し、適度な脱線、皮肉を交えているので、最後まで飽きずに読めてしまう。
哲学的な事柄を日常の言葉を使って粘り強く書くという点では、従来の著作と同様だが、最後まで「批評」という形式に寄り添っているところが目新しい。また、小林秀雄からの引用文と著者の文章が、読み進むにつれて、互いに区別がつかなくなってくるのも魅力である。「小林秀雄が現代に生きていたら、こう言うだろうな」などとうなずきながら、ページを繰っていくのが、この本のもう一つの楽しみ方であろうか。(金子 遊)
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いい書物だと思う。
小林秀雄氏の精神に恋焦がれ、「一方的なランデブーを敢行してしまった」という池田氏の、最後の「小林秀雄への手紙」という章を読んだとき、思わず、素敵!と思ってしまったわけです。人生の悦びは、知ること、考えることを体験し、過去の人々の精神と情交すること。
「小林秀雄と池田晶子、ふたりに思惟する精神の、宿命的出会いが生んだ<正しく考えるためのヒント>」女と男のことにしてしまったら池田さんには申し訳ないのですが、でもやっぱり最後の熱いラブレターは、これは男女ならではという、何ものかを感じるのですね。私もこのような魂のコラボレーションのできる人がいて、表現する機会があったらこの上なく幸せでしょう。
また、この本はほんとうに人生を考えるという人間の喜びの深さを味わえるのです。とにかく、うーん。大人っていいな、と思える本ですよ。
絶対のおすすめ!
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