『大唐帝国』です。
本は薄いし、図版は多いので、どうかと思うのですが、想像以上に読み応えがあります。隋から唐末にかけての歴史の流れが、隋末唐初の混乱時代と、絢爛たる盛唐時代を現出した玄宗皇帝の時代をメインに、遣唐使や唐末などもダイジェスト的に網羅していて、上手く紹介されていると思います。
騎馬民族だとか均田制と府兵制など、それぞれのテーマについて論じた小論文集、といった感じです。執筆者も、決してその辺のライターとかではなく、ちゃんとした研究者も入っています。ただし、後半の論文はあまり良くないものが多かったです。数合わせだったのか。
幾つか誤りも散見されるのですが、やはり分かりやすさということに関しては優れている一冊です。総監修がいなかったのか、重複する文章や図版なんかもあるのですが、図やイラストが豊富で、文字ばかりの概説書を読んでもイメージが湧くのが難しいエキゾチックな唐の時代を鮮やかに描き出していて、良かったです。
こういった感じの断代史的なものは他にもあっていいと思うのですが、シリーズには現時点では清しか無いようです。
本書は、なんだかんだいいつつも満足できる内容だったので評価★4