登録情報
|
訳者も言う如く、先の本は英語圏読者に向けて書かれた学術本だが、この新しい「21世紀の日本の経営:新しいシステムと継続している価値」は、失われた10年に意気消沈している日本人読者に向けて書かれた、日本の企業文化とその潜在実力に限りなく信頼を置いた元気の出る本である。
アベグレンの趣旨は、
「この50年間に、企業をを取り巻く経済社会環境は財務分野を筆頭に大きく変わったが、日本の経営システムの根幹、共同体としての人間を重視した人間に関わる経営部分は殆ど変わらず継続している。
この10年は、失われた10年ではなく、人間を首座に据えた経営システムを元に、日本企業が、戦略と構造を再編し、緊急に必要だった新しい制度を次々に確立した実りあるキャッチアップの時期であった。日本の経済力と競争力は衰えていない。」と言うことであろうか。
著者の最も重要な論点は、日本企業にマッチした企業統治システム確立の提言。ガルブレイスと同様、米国の社外取締役制度は、クローニー(身内)キャピタリズムで機能していないと言い、「株主の利益極大化を目指す米国型企業統治体制」は、従業員などのステイクホールダー優先の共同体的社会組織の日本企業には向かない。全員の共通利益を追求する習慣と価値感に基づいた独自の統治体制を確立せよと言う。
米国熟知の日本人に帰化した著者の「比較経営論」ゆえ極めて貴重である。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|