出版社/著者からの内容紹介
イントロダクション
拒絶理由通知が来た。せっかく出願したのに特許しないという"不愉快な"状況
に、出願人はどう対処すればいいのか、というテーマを持ちました。
拒絶理由通知書を送るとき、審査官はどんな考え方をするのだろうか?
出願人が何を説明すれば、審査官は「わかった」というのだろうか?
優れた発明なら、それに応じた成果があるべきだし、そういう成果を得ること
ができるような対応策というものが、あるはずです。
筆者は、拒絶理由通知を送る側に長く居ましたから、「こういう応答があった
ら、拒絶理由を撤回できるのだが」という情報には、多少ともくわしいと思いま
した。発明し、出願する方々に、筆者からその情報を盗みとり、皆さんが持って
おられる情報と組み合わせて欲しいとも。
そのテーマで、「特許と企業」誌(1985.5 - 1986.7、現在「企業と知的財
産」)に連載しました。そのころ、コンピュータプログラム、動植物などと特許
との関係が、話題になりました。そこで、新しいテクノロジーや新しい制度の
話もテーマに加えた拙著「拒絶理由通知との対話」を、1989年9月、発明協会か
ら発行していただきました。その後、特許法等の改正や、特許をめぐる情勢の変
化もあり、加筆訂正するべきところ、筆者の怠惰のため、「拒絶理由通知との対
話」を初版4刷を最後に、絶版にしてしまいました。
その私も、弁理士として、特許庁時代と違った経験をしました。また、旧著の
読者から、インターネットを通じてお励ましをいただき、たいへん感激いたしま
した。
この度、(株)エイバックズーム堀部茂遠社長の強いお薦めにより、さしもの怠
け者の筆者も再執筆にとりかかり、タイトルに"新"を付けて同社から発行してい
ただくことになりました。
本書は、旧著の「拒絶理由通知との対話」と、拒絶理由通知が有用な情報源で
あること、あるときは「この理由さえ解消すれば特許される」と、またあるとき
は「同じような着想を、こんな人が、すでに実施している」と、さらに「特許庁
はコレコレの場合には特許しません」と教えてくれる情報源だというテーマを、
変えていません。
拒絶理由通知という窓を通すと、発明とは何なのか、観点の違う見方ができる
と思っています。
執筆にあたり、旧著の発刊のときたいへんお世話になった財団法人日本科学振
興財団(故)小泉義一会長、(故)弁理士葛西四郎先生に改めて感謝し、ご冥福を祈
ります。また、貴重な情報をご提供くださったたくさんの方々、それから、
筆者に発刊の場を提供してくださった(株)エイバックズーム堀部茂遠社長に、こ
の頁をお借りして、篤く御礼申し上げます。
2006年6月吉日
著者 稲葉 慶和
著者からのコメント
拒絶理由通知が有用な情報源であることを強調しまし
た。情報源、あるときは「この理由さえ解消すれば特許される」と、またあると
きは「同じような着想を、こんな人が、すでに実施している」と、さらに「特
許庁はコレコレの場合には特許しません」と教えてくれる情報源です。拒絶理由
通知という窓を通すと、発明とは何なのか、観点の違う見方が、情報として現れ
ます。