今回、ナニワ金融のカタに嵌められるのは悪徳業者でも金持ちでもない今よりちょっと良い生活をしたいだけの普通の家庭なので、読んでいて少々可哀そうになって来ます。
その分「日常に有る陥穽」的な実話恐怖物に近い雰囲気で楽しめました。
法律的なマメ知識も、ローンの残ったマンションの転売や、ゴミ置き場に捨ててある物を勝手に拾って良いのか等、得る事が出来ます。
しかし、主人公の勤める零細で灰色な金融業も、生活レベルが落ち住居や職を失う事を恐れる若夫婦も、その妻に横恋慕して策略をめぐらす会社の上司も、皆通奏低音の様な焦りに急き立てられており、読む側もふと後ろを振り返りたくなる衝動に襲われます。
借金と金策に追われる生活を描いた作品を読むと、薬物の禁断症状を描いた物との共通点を感じてしまいます。
パワーとスケールはダウンしたものの、生きる事のヤヤコシサに関して考えさせられる漫画です。強欲は罪と言いますが、どこからが強欲なのでしょうか。