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新しい道徳 (ちくまプリマー新書)
 
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新しい道徳 (ちくまプリマー新書) [新書]

藤原 和博
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

情報化し、多様化した現代社会では、道徳を感情的に押しつけることは不可能だ。バラバラに生きる個人を支えるために必要な「理性的な道徳観」を大胆に提案する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

藤原 和博
1955年生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。96年に同社フェロー。ビジネスマンでありながら小中学校での教育改革に関わり、03年東京都で民間人初の公立中学校長となり、注目を集める。05年キャリア教育の本質を問う「よのなか」科がベネッセ賞、新しい地域活性手段として「和田中地域本部」が博報賞、給食や農業体験を核とした「食育」と「読書活動」で、文部科学大臣賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 175ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2007/12)
  • ISBN-10: 4480687734
  • ISBN-13: 978-4480687739
  • 発売日: 2007/12
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By お気に召すまま トップ1000レビュアー
形式:新書
著者はリクルート社幹部から、東京都杉並区立和田中学・校長に転進したことで有名な人。私は著書を読むのは初めてだが、高い見識と現場の実践に裏打ちされた優れた本だ。特に、第2章「学力問題」と、第3章「いじめ」が優れている。「ゆとり教育」のせいで日本の生徒の学力が下がったという通説に対して、著者は、高学力が話題になっているフィンランドでは、実は「ゆとり教育」を大きく取り入れた結果、学力も大きく伸びたことに注意を促す。フィンランドは、学校の授業時間も教科書の厚さも日本より少ない。フィンランドが重視する学力とは、知識そのものよりも、知識を「社会との関係性の中で応用する力」(p68)である。それこそが、「一人一人が別々の価値観で動く、多様で複雑な成熟社会を生きるのに必要な力である。正解ではなく、自分が納得し、かつ関わる他人を納得させられる解が問われる」(70)。これが本書のキーワード「納得解」である。「いじめ」問題でも、日本のこれまでの道徳のような「感情に訴える道徳」や、「正解」を前提した勧善懲悪ではだめで、「公共心を理性的に運用する技術、すなわちリテラシー教育が欠かせない」(138)。ケータイを多用する子供は、コミュニケーション自体が昔と大きく変質しており、他者との関係性をたえず調整しながら構築するリテラシーこそが「新しい道徳」なのだと著者は説く。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By J-HASE
形式:新書
この著者の本は,今まであまり読んだことがなかったが,書いていることが逐一まともで,なるほどと感心させられた。特に納得したことは,現代が「成長社会」ではなく「成熟社会」であるということ。成熟社会では,「正解」ではなく,皆と議論することによって得られる「納得解」こそが重要であるということ。つまり,これが正しい生き方であるという確実なものはなく,多様な生き方が存在するということ。これだけ変化に富んだ世界であるからこそ,自ら何が自分として正しいのかをしっかりと考える必要があるということ。常識を疑えということ。現代が「生きにくい」時代ではなく,「生きやす過ぎる」時代であるということ。だからこそ,個々の人間が自分らしい生き方を見つけていかなければならないということ。世の中が便利になることによって,ますます一人でも生きていけるようになったこの世界で,孤立しないためにケイタイやインターネットで必死で自分を保っている人々。しかし,人間関係の希薄さは,決してそんなことでは癒されはしない。著者は日本という無宗教の世界での,現代の心の拠り所を「学校」に求めている。学校こそが,日本の最後の心のオアシスであると。確かにそうかもしれない。まっとうな大人がほとんど見あたらないこの日本で,本当の意味で人を導くことができるのは,著者のような確かな信念と志を持った存在だけではないだろうか。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
さて、時々「オレはこの仕事から降りる」なんていう人いますよね。
「こんなんじゃ責任取れません!」とか言ったり。
ぼくはこういう人をうらやましく思えます。
いいなー、すぐ降りられて。
なんちゃって。

そのそも責任って何でしょうか。
責任ある人ってどういう人なんでしょうか。
ぼくは、気楽に降りられないこと、なんだと思うんですよ。
降りられないから、仕方なくでも踏ん張らざるを得ない。
踏ん張るからなんとか責任を果たせる。

だから、安易に「仕事から降りる」という人は気楽に思えちゃうんです。
「責任取れない」という人は、もともと責任なんかない人なんですよ。
責任がないから気楽に降りることもできるんです。
その代わり、そんなことを繰り返しているといつまでたっても腕は上がらない。

降りられないから、踏ん張らざるを得ないから、泣きながらでも何か打開策を探る。
過去の経験を生かしたり、多くの人の力を借りたり、知恵を出して解決への道筋を見つけていかなくちゃならない。
そういう努力をするから、腕も上がっていくんだと思うのです。

藤原和博『新しい道徳』ちくまプリマー新書\760-にこうありました。

###
あなたが「夢」を追うためにも、もっと「自由」になるためにも、技術と経験を蓄積するのが王道なのである。
このとき、大事な言葉がもう一つ。
「自由」の裏腹である「責任」という言葉だ。
「責任」を引き受ける仕事の仕方をしなければ「技術」は蓄積しないだろう。
「経験」の蓄積も豊かにはならない。(158p)
###

誰だって逃げたくなるような仕事はあります。
自分がそうなら他の人だって逃げたくなっているんです。
それを踏ん張って解決するから、技術と経験は蓄積し、他の人からのクレジットレベルも上がる。
逃げていたらダメですよね。

技術と経験が蓄積し、他の人からのクレジットレベルが上がっていくと、やりたいことがやれるようにもなれます。
やりたいことがやれる、すなわち「自由」です。
世の中にはまったく同じことなのに、それが許される人と、お前がそれをやっちゃマズイぜ、という人がいます。
それはクレジットレベルの違いなんですよね。

だって、結果に違いが出るからです。
クレジットレベルの高い人なら、困難があってもそれを克服して成功に導いてくれる見込みがある。
そうじゃない人は、またこの仕事から降りちゃうじゃないかって思われちゃう。

いい結果を出してくれる人と、中途半端で投げ出しちゃう人と、どちらに重要な仕事を任せるか、自明ですよね。
藤原さんはこうも言います。

###
「責任」に裏打ちされていない「自由」は、ただの「奔放」にすぎない。(158p)
「責任」を引き受けて、はじめて、その「自由」な行動はクレジットに変わる。(159p)
###

責任に裏打ちされていない自由なんか、意味がないってことですね。
子どもや若い人はよく「オレは自由に生きたいんだ」なんて言いますが、それは責任逃れでしかありません。
責任を引き受けて、嫌なこと、困難なことに出会っても、そこから逃げずに、ジタバタしながらも踏ん張って、知恵だし汗だしするから、自由も得られるということなんだと思います。
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