実務をやっていると1ページからじっくり読むというわけには
いきませんが、実務家は折にふれて関係箇所を何度も読むべき
書籍だと思います。ただ、本書の性格上内容は抽象的です
(抽象論をしっかり理解することは、ブレのない判断をするため
には重要ですが。)。
在留期間の特例に係わる措置についての記述(P179)は少し
分かりにくいですね。その点有斐閣にメールを送ったらきちんと
説明していただけました。法第20条第5項では、「当該処分が
される日」とありますが、これは「当該処分がされるとき」の意味
で当該外国人は不許可処分を受けた瞬間から不法残留になります。
しかし、実務上、不許可処分見込みの場合、事前に入管に出頭を
求められ、出国準備目的の在留資格への変更を促されるので、
「当該処分がされるとき」から不法残留とする本条の出番は極めて
稀ですね。従来、今後の実務の取扱いについてもっと言及があれば、
より改正法の意味が明確になったと思います。
著者5名のうち4名は検事です。この点、平成元年入管法改正
の立法担当者には、検事は知る限りいません。