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新しい世界史へ――地球市民のための構想 (岩波新書)
 
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新しい世界史へ――地球市民のための構想 (岩波新書) [新書]

羽田 正
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

グローバル化が進み、ますます一体となりつつある現代世界。従来のヨーロッパを中心とした世界史像は、もはや刷新されるべき時を迎えている。いまこの時代にふさわしい歴史叙述とはいかなるものか。歴史認識のあり方、語り方を問い直し、「世界はひとつ」をメッセージに、地球市民のための世界史を構想する。

内容(「BOOK」データベースより)

グローバル化が進み、ますます一体となる現代世界。その現実を前に、従来のヨーロッパを中心とした世界史像は、刷新されるべき時を迎えている。いまこの時代にふさわしい歴史叙述とはどのようなものか。歴史認識のあり方、語り方を問い直し、「世界はひとつ」という視点から、地球市民のための世界史を構想する。

登録情報

  • 新書: 220ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/11/19)
  • ISBN-10: 4004313392
  • ISBN-13: 978-4004313397
  • 発売日: 2011/11/19
  • 商品の寸法: 17.7 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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17 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 革命人士 トップ500レビュアー
著者は現在、日本で教えられている世界史について、ヨーロッパ中心、日本視点、差異の強調という欠点があり、視点がゆがめられられてしまうことを、本書で指摘している。これにかわる「地球市民の世界史」として、時系列の排除、国家や民族単位でくくるのではなく、職能、地域などの人間集団からとらえた視点や同時代の地域同士をヨコでつないだ見方を提示する。確かに、7世紀の中東がすべてイスラムで沸き返ったわけではないだろうし、「19世紀のイギリスが産業革命や貿易で莫大な富を得た」と記述されても、そうでもない農民もいるのだろう。日本だって「震災後、不況の日本を生きている」と言っても、被災地と東京では、まったく見える生活の姿は異なるし、消費税増税やTPPだって反対もいれば賛成もいる。国家で歴史を語るのは、手っ取り早くて理解しやすいが、危うさもある。

しかし、本書の内容はかなり観念的でもある。著者は「興亡の世界史15」で本書で提示する歴史観でダイナミックなアジアの海洋史を描き高く評価されたが、高度に体系化され試験科目として適応した「世界史」として、著者の提示する「世界史」をどう教えるのだろうか、という気もした。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者は東大副学長で専門は比較歴史学、世界史。

地球市民としての視点に立ち、
現行の世界史の枠を越えて、より大きな視点から世
界史を描きなおそうとする試みがまとめられています。

現行の世界史には、
'@自国中心、'A差異の強調、'Bヨーロッパ中心史観
という3つの問題があり、これを克服していくことが必要であると説く。

では新しい世界史はどう構想されるべきなのか。

基本コンセプトとして、地球市民としての帰属意識を持つべく、
「差異」ではなく、「共通項」に着目して捉えなおす試みが必要と著者はいう。

本書は、新しい世界史を構想する壮大な研究の方向性を語った、
いわば、マニフェストであり、
そのため、具体性に欠ける点は否めませんが、研究のスケールの大きさと、
歴史学が持つ力を知ることができ、大変読み応えのある一書です。

歴史に興味がない方でも構成が非常にきれいな本のため、
スムーズに読み進めることができると思いますので、
ぜひ手にとって見てください。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
歴史教育とはいったい誰のためにあるのか?本書における「新しい世界史」においては、副題にあるとおり「地球市民」のためである。では、その「新しい世界史」とはなにか?

タイトルに釣られて本書を読んでみたわけだが、実はその答えはまだ存在していなかった。『新しい世界史へ』というタイトルにあるとおり、これから「新しい世界史」を作っていくための提言の書である。

なぜ、「新しい世界史」が必要なのか?現在の「世界史」の何が問題で、どのように「新しい世界史」を作っていくのか?それが本書のテーマである。

歴史学は、それぞれの国民国家が成立していく過程で、国家が国民の思想形成を行うために作った学問である。たとえば、戦前日本においては、日本を対象とする国史、追いつき追い越す対象であった西洋の西洋史、日本が教え導く対象であった東洋の東洋史という枠組みから構成される。

それが、戦後、中高教育では、西洋史・東洋史が廃止され「世界史」となるが、個別の歴史の集約に過ぎず、多少の改善をしつつ現在に至るが、いまだヨーロッパ中心に描かれている。

国民の思想形成を行うための学問であるがために、国が違えば、教えている歴史の内容が異なる。本書では、フランスの歴史教科書の目次、中国の世界史教科書の目次を提示している。フランスでは、東洋のことはほとんど教えられていない。中学では世界史を含む社会科を履修している日本では、中国の王朝名やフランス革命のことは、多くの人が知っているだろう。しかし、フランスの教科書には、ほとんど東洋のことは触れられていない。日本についての初見は明治維新や日露戦争であり、フランス人にとって、明治維新前の日本の歴史は存在しない。

あらためて考えさせられたのは、我々が「歴史」だと思っているものは、実は「事実」というよりも「認識」でしかないことである。国が違えば、認識が違う。隣国との間でたびたび「歴史認識」が問題となるが、学んでいる内容が全くことなるので、共通の歴史認識を持つことは難しい。

冷戦が終結して20年。グローバル化は進展し、イデオロギー対立の問題は減少したとはいえ、貧困問題、テロ問題、環境問題、エネルギー問題等、一国では解決できない地球レベルの課題は山積みである。

さきに触れたとおり、歴史学は、国家が国民をリードするために作られた。しかし、現在の世界史は、これら世界の課題をリードしていない。個別の国家視点の「世界史」ではなく、これからの世界をリードする「地球市民」のための世界史が必要ではないだろうか?それが本書の提言である。

しかし・・・おっしゃることはよく分かるのだが、イデオロギー対立や宗教対立が存在する世界で、いったいどのように普遍的な歴史認識を持つことができるのであろうか。著者ご本人も言われている通り、極めて難しい課題である。

さいわい、日本は、徳川光圀が編纂した『大日本史』のように、国民国家形成前から歴史学が存在し、歴史学の長いルーツがあること、明治時代後も、西洋史や東洋史に取り組んできた経緯もあり、「新しい世界史」を作る上で、イニシアチブを取れる位置にあるように感じる。
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最近のカスタマーレビュー
面白い問題提起、続編に期待
本書は以下の4章立てです。

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投稿日: 18日前 投稿者: Asian_YM
「日本の世界史」の何が問題なのだろう?
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