体調を崩し、医者から的確な診断を得られないまま暗中模索のなかで出会った「西式甲田療法」、まさに「藁にもすがる」という当時の私には一筋の光明に映りました。その療法のひとつである「朝食抜き」を甲田療法を知る随分以前から実践し、体調が良くなったことを体験していた私にとっては、一見非合理とも思えるこの療法が救ってくれるかもしれないと思ったからです。そして出来る範囲ではありますがその幾つかを実践、その全てが健康回復に多大なる効果を上げてくれたことは現在全く疑う余地がありません。今や私の食生活は一変するとともに体調も回復、健康であることのありがたさを心の底から感じている次第です。と同時に、私は猛省をすることとなりました。なぜなら今までは「身体が何とかしてくれる」「無理をしても大丈夫だ」のような考えから、健康を省みることなどあなかったからです。「病気直しは癖直し」という先生の言葉が、回復してくる体調とともに胸中に深く染み入りました。
甲田先生はこの本のなかで、健康法を提唱している自身でさえ己の弱さゆえ失敗を重ねた、という体験を赤裸々に告白しながら健康に生きる術を提唱しておられます。そこには一医師として現代社会を見据えた厳しさと人に対する暖かさ、そして優しい人柄が描かれております。甲田先生は「菜食中心」や「少食・朝食抜き」「運動療法」等、健康回復・維持の為に様々な方法を多くの書で提唱しておられます。甲田先生の健康法に異論を唱える方もいらっしゃるかもしれませんし、それはそれでいいと思います。しかし私は「活学」としてこの方法を体験し、その効果を驚嘆をもって知りました。この本とこの健康法、「活かすも殺すも自分次第」だと思います。