ジャクリーン・ビセットの美しさを堪能するに、最高の1本!!
ロンドン、ベニス、パリを背景にファッショナブルな衣装で闊歩するところが魅力的。コックさんの格好や男物スーツっぽい衣装なんかカッコイイ。ユーモアミステリーの雰囲気に、知的で、き然とした、でもセクシーな彼女の持ち味がしっくりととけこんでいて楽しい。冒頭、彼女が登場したとたん、何か顔の肌合いが綺麗だなあと思った。やっぱり当時は美しさの全盛だったのかなあ、肌の張りが違うなあなどど感じたのですが、メイキングで監督が、このときの彼女の美しさに言及していて、実は撮影のジョン・オルコット(キューブリックのバリーリンドンなどが有名)の撮り方の効果があるとのこと(もちろん彼女の美しさの全盛でもありますが)。各地の有名レストランや、ホテルの屋内撮影も見事です。その場の照明だけで撮影された滲んだような、ヨーロッパの歴史を感じさせるような映像が実に素晴らしいです。脚本、音楽(マンシーニ)は「シャレード」のコンビ。特典としてテッド・コッチェフ監督のインタビューにスチール写真や映画のシ−ンを織り交ぜた長めのメイキング(当時の映像や現在の出演者などのコメントはありません)とスチールギャラリーが付いています。HDリマスターですが、オルコットの屋内撮影シーンなど、もっとリストアできるんじゃないかと思ったりします。解説の冊子は、料理人のエッセイやあらすじ、出演者の略歴などがきっちりと載っていて昔の映画パンフっぽい作りです。
テッド・コッチェフ監督というと、「ランボー」や「地獄の七人」などアクションものの印象が強かったので、なんでも撮る職人監督ぐらいにしか思っていませんでしたが、なかなか映画に対する思い入れも深く、面白い話が聞けます。両親がレストランを経営していて、自らも厨房の中で働いた経験もあり、特にこの作品への愛着は深いようです。何気ないユーモアミステリ映画という感じの本作ですが、1本の映画を作るにはいろいろな裏話があるのだなと感じました。