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料理人
 
 

料理人 [単行本]

松永 尚三
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

スイス・ジュネーヴ州立大学で教鞭を執るかたわら、戯曲や歌舞伎台本を書き、自らも舞踊家として日本・海外で活躍する気鋭の作家の短編・中編小説集。「三田文学」に発表された作品を中心に、スイスロマンド(フランス語圏のスイス)を舞台に、人間の孤独と官能を追求した妖艶耽美な作品を収録。

内容(「MARC」データベースより)

スイスの大学で教鞭をとるかたわら戯曲や歌舞伎台本を書き、舞踊家としても活躍する作家の短編・中編小説集。人間の孤独と官能を追求した妖艶耽美な作品を収録。『三田文学』掲載に書下ろしを加え単行本化。

登録情報

  • 単行本: 281ページ
  • 出版社: 文芸社 (2004/08)
  • ISBN-10: 4835578082
  • ISBN-13: 978-4835578088
  • 発売日: 2004/08
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 862,685位 (本のベストセラーを見る)
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By カスタマー
形式:単行本
この短篇小説集にあるのはスタイル(文体)の擬古ではなく、よい具合の感覚の懐かしさだろう。たとえば恐ろしく美文だ。それは帯に書かれた「三島由紀夫の再来」というコピーを裏切らないが、三島の美文は最後までもっと瑞々しいものだったろう。現代文学の重要な主題に、歳のとり方があるといわれる。それは青臭いビルディングロマンスの牢獄からいかに魂を解き放つかというテーマだ。三島の若々しい美文は、その破綻の一例といわれて久しい。他方、松永の美文は、不思議な枯れ方をしている。

しかしそれは決して爽やかなものとはいえない。読後感には、はっきりいって独特の気持ち悪さが纏わりつく。なぜか? 美文は三島が証明したごとく、漢文的に雄雄しくまた、成熟を拒むヒロイズムだ。それに反して松永の美文は、歩を止めるどころか、時が止まる遥かな以前へと、感覚を一気に連れ戻す。

もちろん、欧州が舞台ということも、美文を必然化しているように見える。けれどもそれは作者の仮面に過ぎないだろう。というのは、むしろ日本人特有の成熟感が通奏低音になっているからだ。彼らは大人になるのでもなく、子供だったわけでもない。孤独なようでいて、あまりそれを意識しない。そういう時の流れ方(止まり方?)から、ディティールの描写が重ねられる。秋の夜長の孤独な読書には最適な読み物だが、むしろ訳出して、ヨーロッパ人に読ませたい小説に思えた。

それにしても著者はなぜホモセクシャルをこれほどまで客体視するのだろう? こうしたペルソナのあり方、あるいは三人称のあり方は、今時の書き手には得がたい、なんとも懐かしい、奥ゆかしさを感じさせてくれる。

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By yasuyo
形式:単行本
収録作品『ラマダンの月』によせて。六十をこえた元シャンソン歌手とこころざし半ばで場末の映画館に身をよせた日本人の青年との出会い、物悲しくもささやかな二人のディナーそしてマダムのステージ、これは大人のお伽話。そして青年の秘密。読み終えて女の私は、これをどう受けとめてよいのか少しの間迷いました。

作者の松永氏はご自分でも舞台をふむ方とか、そうこれはマティスの絵のダンス、モーリスベジャールの舞台でラベルの曲でこんなシーンがありましたっけ、松永氏は白木蓮の花までそえて、あの地特有の闇の中に浮かび上がらせた舞台なのではないのでしょうか。なんとすばらしい美的センスで書き上げて下さった事か!読み終えて月の光の誘に庭の中いつまでも立ちすくんでしまいました。美しい大人の物語。

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形式:単行本
 6編からなる短編集ですが、それぞれ日本文化に心酔した西洋人と、そこへ現われる日本人を軸としてストーリーが展開していきます。日本と西洋の関係、西洋から見た日本観など、著者がスイスの大学で教鞭をとっているとのことで、それぞれのエピソードは著者の体験が元になっているのかとも思えるくらい説得力があります。

 特に最後に収録された作品。長年日本文化を学んできたドイツ人教授に、ある日本人参事が冷たく言い放つセリフにはうならされました。長らく日本人が西洋に対して無意識に卑屈になっていた事に。そしてその時代はもう終わったのだと。

 全編に漂う同性愛趣向も、ある時は必然のように、ある時はそこはかとなく現われます。オチが先に読めてしまう部分も無きにしも非ずですが。

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