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斎藤緑雨 (明治の文学)
 
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斎藤緑雨 (明治の文学) [単行本]

斎藤 緑雨 , 坪内 祐三 , 南 伸坊
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登録情報

  • 単行本: 423ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2002/07)
  • ISBN-10: 4480101551
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  • 発売日: 2002/07
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By Zsrtra
形式:単行本|Amazonが確認した購入
明治もしやそれ以前からの古き地名、称呼を、各ページの下欄として割ったスペースに一々丁寧に註釈されています。明治どころか近代のものを名指すにさい疎い私にとっては、おおいに助かりました。辞典を引っ張る前にある程度の調べ方向を知れるのを、さらなる検索をして深く広くわかろうとする余裕ができたせいか、少し明治に対する認識がふかまったかなと。また、フリガナと句点がふられてありますので、読み方に気にとらわれながらと違って、漢文調の言葉と言葉と間のつながりに集中でき、知らず知らずに読み耽けり、明治の文豪の機知、機微、洞察にいままでなく翻弄され、感服し、満喫しました。まったく同シリーズの他の本を入手したくなります。
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形式:単行本
斎藤緑雨は、今から142年前の1868年1月24日に神戸に生まれた小説家・評論家。
樋口一葉は24歳で斎藤緑雨は36歳という、ふたりとも早すぎる死でした。

彼の名前は、樋口一葉がらみで出てきて知りましたが、彼女との師弟関係というか恋愛関係というか、ともかく浅からぬ仲だったことは確かで、樋口一葉は日記にもそっと書いていたり、斎藤緑雨も、彼女の死後に全集の編集に尽力したり遺族の面倒を見たりして世話を焼いているところをみると、あるいは一葉日記を手元に置いて離さなかったことも考えると、想像以上の思い入れがあったはずです。

それにしても、その当時、森鴎外が創刊した文芸雑誌「めさまし草」には、三人冗語、という合評欄があって、そこに森鴎外・幸田露伴・斎藤緑雨の3人が評者として書いたものが大人気だったといいますが、前者の2人の押しも押されぬ現在にいたっての知名度の高さに比べて、何ともひとり斎藤緑雨だけがあまりにも低い評価であることでしょうか。

私は学校や町の図書館で、明治文学全集やなんかを読んだりした時に出会って、独特の言い回しの文章やグサッと来る警句というかアフォリズムに注目してすぐに気に入ったのでした。

単なる皮肉屋とか野次馬くらいにおとしめられている現状は、おそらく直接には、同時代のやり玉に挙げられた作家・政治家・評論家たちから煙たがられた結果の抹殺に近い無視が原因だと考えられますが、思えば死後の作家の評価などというものは、読者というか読まれ方が左右するというより、いかに信奉者が強力にデモンストレーションしたかということで、無名の宮澤賢治がクローズアップされて世界的作家にまで誇大成長することになったり、角川書店が大々的に売ろうとするキャンペーンで、テレビCMや映画化や膨大なPRをした結果、横溝正史や森村誠一が数百倍読まれるようになったり、けっこう恣意的に操作できることが証明されています。

もちろん、その作家にそれだけの評価に値する存在証明としての内容と質があった訳ですが。
これは、名指しした3人の作家の名誉のためにも、あるいは私自身がかなり好きなこともありますので言っておかなければなりません。

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「拍手喝采は人を愚にするの道なり。つとめて拍手せよ、つとめて喝采せよ。渠(彼)おのづから倒れん」

「(広い宇宙といっても間違いないものがふたつある)我が恋と、天気予報の『ところにより雨』」
 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

ところで、本書は近年の明治文学再評価の牽引者のひとりである坪内祐三の手によって編集されたシリーズの中のもので、今みわたしても文庫本などにも手軽に読める斎藤緑雨の本がない現状に救世主のように現れた一冊です。

スパッとみごと一刀両断に切って見せてくれるアフォリズムがあり、情緒漂う花柳小説あり、真摯で諧謔な日記あり、そして圧巻というかお見事というか、自分の死亡広告も書いたというちょっと変わった一面もある中身は、さて彼の再評価のターニングポイントになるのかどうか。

記述日 : 2010年01月24日 12:37:35
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