斎藤一人のおもしろいところは、一見単なる精神論を語っているように思われる言葉が、じつは商売やお金のロジックと結びついている点。たとえば本書の後半には、「いいかい、どこかに一円玉が落ちていたら助けてあげるんだよ(中略)そうするとね、一円玉のお父さんが『子供を助けてくれて、ありがとうございました』とお礼を言いに来てくれる」という言葉があるが、これは金利やお金が増えるしくみを暗に意味している。また、「日本で最大の神様は『皆さまのおかげさま』」という言葉も、日本で商売をする際に忘れてはいけない、日本人の国民性を見事に言い表している。ほかにも、「10倍稼ごうと思ったら、10倍簡単にするんだよ」「素直ならほかの人の助けが自分の目方になる」など、日頃の仕事に生かせる教訓も、随所に見られる。経営者はもちろん、サラリーマンにとっても、商人のプライドと心意気に触れ、仕事への意気込みを新たにする、よいきっかけとなるだろう。(土井英司)
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