谷崎は大学の時に、あの有名な代表作、「痴人の愛」を読んでとりこになった記憶があります。あのお話は、大正版SMとでも言えるでしょう。主人公(今でいうそこそこのエリートサラリーマン)がナオミという悪魔的女性の体を愛撫する描写はこっちがどきどきしました。
この本は、全くのビギナーから、「そこそこ谷崎読んでるよ」という方まで楽しめる一冊だと思います。
一つ一つの作品についても、簡単なあらすじや、名場面などはそのまま掲載されていたりして、「ああ、この作品、最初からちゃんと読んでみたい!」という気になります。
なお、谷崎文学を愛する、女優の本上まなみさんの「谷崎論」も彼女独特の面白い言い回しで書かれていて(彼女は関西出身で、それも谷崎好きの理由の一つだそうな)、本上さんの本も今度読んでみようかな、と思いました。
松子夫人など、物語の背景となった女性なんかにも触れてあるし、谷崎の「猫論」なんかも面白かったです。