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文豪の古典力―漱石・鴎外は源氏を読んだか (文春新書)
 
 

文豪の古典力―漱石・鴎外は源氏を読んだか (文春新書) [新書]

島内 景二
5つ星のうち 2.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 735 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

口語訳が日本人の「魂のDNA」を衰退させた!
明治期の文豪たちは『源氏』を読みこなせたのか? 数々の口語訳が衰退させた日本人の「魂のDNA」を気鋭の文学探偵が発掘する

内容(「BOOK」データベースより)

なぜ現代日本人は自分の国の「古典」を原文で読めなくなってしまったのか?明治四十五年(大正元年)に、与謝野晶子の「口語訳」が出版された時点から、皮肉なことに『源氏物語』の凋落と「日本の古典文化」の衰退が始まった。本書は、文豪たちの「古典力」という観点からの探究である。彼らや彼女たちと古典文学とのかかわりを追究することは、そのまま現代文化のあり方を考える指標ともなる。

登録情報

  • 新書: 234ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2002/08)
  • ISBN-10: 4166602640
  • ISBN-13: 978-4166602643
  • 発売日: 2002/08
  • 商品の寸法: 17 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 2.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 591,271位 (本のベストセラーを見る)
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24 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ask170
形式:新書
本書は、『源氏物語』や『徒然草』等の古典文学が漱石・鴎外等の明治文学の中にどのように立ち現れてくるかを論じた本である。

古典の影響を近代文学に探るという着眼点はいい。しかし内容について言えば、学術的な書にしてはガードが甘すぎるの一言につきる。たとえば、源氏物語と漱石の作品にちょっとでも類似した点があれば、漱石が源氏物語を踏まえたという希望的観測に基づいて論を進めてしまう。万事が同じ調子で、影響関係の検証がとにかく甘すぎるのだ。

帯に「気鋭の文学探偵」とあったが、この程度で気鋭を名乗られては、まともな研究者に対して失礼というものだろう。それともこの本はあくまで「推理」であって「研究」ではないということだろうか。それならばまだ納得できるのだが。

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By ママモステ トップ1000レビュアー
形式:新書|Amazonが確認した購入
決して悪い本ではないのですが、筆者の主張(「古典はもっと原文で読まれるべきだ」)が先走りしていて、個々の発見(近代文学者の作品の中に隠れている日本古典からの影響、古典を使った本歌取り、など)が活かされていません。近代になり、文学への影響の源が中国から西洋に変わった、とおおまかに理解されている中で、古典からの日本近代文学への影響は無視されているというのはあると思うので、「なぜ『金色夜叉』のヒロインの名前は鴫澤宮なのか」の謎解きなど、テキストの中に関連性を証拠づける具体的な要素の指摘は非常に興味深いです。

しかし、作者が取り上げる 漱石を除いての近代文学者のほとんどからして現代読者に読まれていないという事実を考えると(現に、筆者自身、漱石に対して森鴎外が読まれていないということに言及しています)、「古典を原文で読むために、(尾崎紅葉、樋口一葉、与謝野晶子の)明治中期の人々の心まで戻る」という提案は、あまりに非現実的だと思いました。読者の心にある(はず)の古典を解する力を「古典のDNA」と銘打っていますが、古典も文学も読んで理解するには一定のスキルが必要なものです。安易に「日本人なら」のようなことを言われてもピンときませんでした。

また、筆者は現代語訳や安っぽい映画化などは古典理解への道具としては認めていません。もちろん下らない映像化は、未読の読者に「原作もこんなものか」と思わせる害があると思います。ですが、あえて映画やドラマ化された古典を現代の一種の「解釈」と受け止め、筆者のような古典推進派がそれと組む形で(協力する、コラボする形で)古典のリバイバルというのはできないのかなと思いました。

少々残念な作品ですが、テキストを地味に読み解いていることもあり、一読の価値は充分あります。迷ったら一読をお薦めいたします。
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 清高
形式:新書
1.内容
以前の日本人は、自国の古典を原典で読めたはずだが、著者の専門である『源氏物語』を見た限りでは、与謝野晶子(以下、人名敬称略)の『新訳源氏物語』が出たあたりから、口語訳が優勢になり、原典で読めなくなったように思う。このことは由々しきことで、自国の古典を読みこなせなければ、新たな文学は生まれない。このような問題意識の下、夏目漱石ほか5名の文豪の作品を検討して、明治の文学者がいかに源氏物語を読んで作品に組み入れたか、また、原典(『源氏物語』で言えば、著者お勧めは講談社学術文庫の『源氏物語湖月抄』。この本は増補版であり、信用できるとか)を読むことの大切さを論じた本である。

2.評価
『大学教授のように小説を読む方法』(トーマス・C・フォスター、白水社、2009)を読んだ私としては、著者のような読み方は大いにありえ、参考になった。やはり、文学というものは、過去の文学などをベースとするものだと理解した(余談だが、だから古い文学作品から読むのがいいと考えた。また、読まなければ書けないことも)。ただ、著者のように、古典を原文で読めないことを嘆くのはわかるが、仕方がないと思うし、合理的な側面があるとも思った。仕方がないというのは、言葉は時代によって意味が変わるので、どこの国でも読めないことは十分にありうるからである。合理的というのは、内容がわからなければどうにもならないので、口語訳やあらすじに頼るのは合理的だと思うからである。内容の面白さ星5つ、仕方なさと合理的なところで星1つ減らして、星4つ。
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