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20 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
孔子、老子から仏陀まで,
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レビュー対象商品: 文読む月日〈上〉 (ちくま文庫) (文庫)
この本の凄いところは、トルストイが本当に古今東西の名言を集めたことにあります。ロシアで、どうして孔子、老子、仏陀の言葉まで集めることが出来たのか、ものすごいことだと思います。 二月七日 (六)「私はいかに無教育でも、理性の道をたどって進むことができる。私が恐れなければならないのは、増上慢だけである。(以下略)」(『老子』による) (七)「奇妙な話ではないか!われわれは外部からの悪には、換言すれば、他人から蒙る(こうむる)悪、どうにも排除できない悪には憤慨するけれども、いつも自分の支配下にある自分自身との悪とは、いっこうに闘おうとしない。」(マルクス・アウレリアス) 二月十六日 (三)「天と地を眺めて思うがいい。山も川も、さまざまな形の生命も、自然が生み出したものも、何もかも須臾(しゅゆ)にして過ぎ去る。まさに諸行無常である。(以下略)」(仏陀の言葉) ローマ皇帝から孔子、老子、仏陀まで、凄いことだと思います。ぜひ座右の書にしてほしい一冊です。
49 人中、45人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
在野の露文学者が問う名訳,
By おろしあ (Nippon) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 文読む月日〈上〉 (ちくま文庫) (文庫)
訳者・北御門氏は,学生時代にトルストイの作品に出会いトルストイ主義に傾倒。徴兵を拒否した体験を持つ。トルストイに倣って自らも開墾生活を送る一方,独自にトルストイ作品の翻訳を行い,発表してきた。「翻訳に大切なことは,原書に感動し,読者とその喜びを分かち合いたいと思うこと。だからトルストイが涙して書いたところは,私も泣いて訳します」と自らの翻訳姿勢を語っている。それゆえ従来の諸訳に対して批判的でもある。「在野の露文学者」と言えよう。この『文読む月日』は,戦前に原久一郎が訳したもの(『一日一善』と題された)以来唯一の邦訳である。上下二巻のハードカバー版が今回,手に取りやすい文庫本として出版されたことで,北御門氏の訳業が広く知られる機会が与えられた。 内容は諸賢の箴言とトルストイの言葉とが一日一章の単位でまとめられている。普通に通読してもよいし,一日一章ずつ味わって読んでいってもいいだろう。現代人にとって実に深い示唆に富む言葉が詰まっている。私も知らず知らずさまざまなところに傍線を引いてしまった。 北御門氏がトルストイの思いを少しでも深く汲み取ろうとしてできた邦訳によって,我々がトルストイの真髄によりよく近づける路ができたことを喜びたい。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
トルストイの思考の集大成,
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レビュー対象商品: 文読む月日〈上〉 (ちくま文庫) (文庫)
宗教の経典(聖書、発句教、コーラン他)からの短い引用も多く含まれますが、本書は、(キリスト教などの特定、既成宗教の勧めではありません。 霊的(精神的)存在としての本来の人間として十分に(幸せに)生きるための 実際的な教えや励ましの書のように思えます。 一日一章という体裁は、ヒルティの『幸福論』、『眠られぬ夜のために』に似ていますが、 文章を読み進むと、老子やブッダの教え、スーフィー(の教え)なども登場し、 ケン・ウィルバーの『意識のスペクトル 』、また、 聖書、コーラン、仏典の三つの全く 同じことを説く部分(類似部分)を並べたりしてあり、その求める本質、実体は共通というか、例えば、 ラーマクリシュナのそれを思い出します。 しかし、それ以上に、本書は、名言(引用)部分や、トルストイ自身の言葉も 含め、総合的に、トルストイの心をとおし重要とみなされ、集められた文章の集成であり、私は、晩年のトルストイ(独自)の思想そのもの(集大成)だと思います。 個人的に印象に残った文章をご紹介させていただきます。 「何を考えなくてもいいかを知る ことは、何を考えなければならないかを知る事よりも、むしろ大事である」 (著者名不明、またはトルストイ自身の言葉)140ページ 次は、トルストイらしいというか、よく知られた言葉… 「われわれを最も掴んで放さない欲望――それは色欲である。 色欲はけっして完全に満足させられることがなく、満足させられればさせられるほど、 ますます増大するのである」142ページ 本書には、エマーソンと言葉と並んで、アミエル(「アミエルの日記」岩波文庫)の 文章もたくさん収録されていますが、以下、長いので、 短くまとめてご紹介です。晩年の日記からだと思います。 「健康も喜悦も、愛着の対象も、 みずみずしい感情も、記憶力も失われ、人生がそのいっさいの魅力を失ったと感じるとき、 われわれはどうしたらいいのだろう。もはやなんの希望もなくなったとき、 どうしたらいいのだろう? 答えはいつもただ一つ、自分の意志を神の意思に合流させることである。 君は当然あるべき君でありさえすればよい――あとはすべて神の領分である」155ページ …なすべきことをなすのは自分の業、わが身に何が起きるかは、神の業…182ページ こんな文章もあります。 「自分の好きなことは何でもする習慣の付いた人は、何をやってもすぐ嫌になるであろう」182ページ 以下は、「モリー先生との火曜日」か、何かの本で読んだ記憶がある のですが… 「モーゼが神に向かって言った。 『おお主よ、あなたはどこにいらっしゃるのですか?』 神は答えて言った。 『お前が私を探すとき、おまはすでに私を発見しているのだ』」316ページ 心に触れた文章を挙げ出すと長くなりますので、このくらいにさせていただきます。 アミエルの他には、「自省録」(マルクス・アウレリウス)、エマーソン、カント、ショーペンハウエル、 ブッダ、ソロー、老子、孔子、パスカル、「タルムード」「コーラン」 「聖書」などからも多数が引用紹介されています。ニーチェの文章も他の巻にあります。 また、上巻には、トルストイの「復活」、ドストエフスキーの「死の家の記録」、「ソクラテスの弁明」(プラトン)などの 断片がそのままのっていて、文学的香りがするのがユニークです。 例えば、「復活」の引用部分も、 本書の主旨を補足するトルストイの意図があるようです。 下巻には(人名などによる)総合的な目録や、人物の紹介(一行程度)も 付いております。必ずしも、トルストイのように(彼、あるいは、キリストに倣って 善良に)生きるということではなく、 自分らしく真剣に生きようと模索する人には大いに参考になる本です。 トルストイの使命感がひしひしと伝わってくる本で、 全巻(3冊)を通し収録された文章に触れることで、心が洗われ(余計なものが取り去られ)、 新しい自分が見えてくる効果はきっとあると思い、おすすめさせていただきます。
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