著者は「あとがき」でこう書いています。
「むかしの娯楽小説や少女小説、ライフスタイルエッセイ、そして最新の純文学。スヰートな蜜が致死量の毒と結合した瞬間、女子は甘いスリルとともにみずからの誇りを自覚する。」
こうしたコンセプトで、著者は「ガーリッシュ」という別の枠組みのジャンルを作ってしまいます。
この本は、こうしたコンセプトで集められた69の作品と作者を的確に紹介してゆきます。
その作品群は、この100年間の日本の文学界を網羅しており、紹介されている作品の中には入手が困難なものも見られます。
作者自身にしても、読んでいないどころか、名前も初めてという作者もいたりしました。
「文學少女の手帖」10編のコラムで、その中でも特に著者の思い入れのある作者についてその経歴も踏まえて書いています。
尾崎翠、森茉莉、武田百合子、野溝七生子、片山廣子(松村みね子)、久坂葉子、倉橋由美子、森田たま、吉屋信子、矢川澄子。
結局、いろんな言葉で書いていますが、こうした「ガーリッシュ」な作品の「毒と蜜」の二面性を語りかけています。
そんなことはさておき、この本を読むと、どの本も手にとって読みたくなってきます。それほど著者の照会文は素晴らしいものがあります。