谷崎潤一郎の文学作品を読むたびに、中身の面白さは勿論のこと、その美しい流れるような文章に感銘を受ける。
この「文章読本」を読むと、谷崎がいかに苦心して文章を書いているかが推察される。
この読本はなるべく多くの人に読んでもらうように書いたと述べているが、古文、漢文などが引用されて難解なところもあった。私は特に漢文はほとんど飛ばして読んだ。しかし、親切にも重要なところは太字で書いてあり、浅学の私でもなんとか読み終えることができた。
・・・口語文といえども、文章の音楽的効果と視覚的効果とを全然無視していいはずはありません。(本文37Pより)
これが谷崎の流麗なる文章の秘訣なのだと目から鱗が落ちる気がした。
また、「言霊」とは言葉の魅力のことで、言葉はそれ自体が生き物で人間が言葉を使うと同時に、言葉も人間を使うと説く。
私はこの読本は非常に参考になった。例えば、文章を書く時につい気取って衒うような根性を戒めている。これからレビューを書く上でも気をつけたいと思った。