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42 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
扇の要,
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レビュー対象商品: 文章読本 (中公文庫) (文庫)
丸谷才一の本を読むたびに、この人の正体は何だろうと思うことがあります。小説家?評論家?ジョイス学者?雑文家?多分、正体は10年に1冊の長編小説しか書かない小説家というのが正しいのだろうけれど、もちろん力点は小説家においています。少ししか小説を書かない小説家、そうなった理由はこの「文章読本」を読めばわかるような気がします。 もともと、芸の限りをつくして趣向を凝らした面白い作品を書くことを信条にしている小説家ですが、ある時、現在の日本がそういった作品を書き続ける環境にないことに気がついた。自分の作品を味わって、面白がってくれる読者層の薄さ。小説家にとって、信頼のできる読者をイメージできないのは致命的なことです。そこで彼は考えた、「小説を書く前にしなければならないことがある!」(と、私は想像しているのです。半分はあたっていると思います。) 以上の予備知識をもって、「文章読本」を読むと面白さが倍増します。私自身は「ちょっと気取って書け」というアドバイスに目からウロコがボロボロッと落ちました。「ああ、なるほど」と思い、それ以降、文章の幅が広がりました。それに、褒め上手なところも参考になります。まあ、文章の有段者を目指す人には必読書といったところですかな。
29 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
バイブル,
By 黄亀 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 文章読本 (中公文庫) (文庫)
「あの文章読本」と言われるほど有名な本。この一冊を読んで文章がいくらか上手くなる、という種類の本ではないが、バイブルのように金言に満ちた本。基本的には勉強法の本。役立つテクニックも載っているが、あくまでも文章とはどういう物でどう付き合っていくべきかを教えた本だと思う。学び方を知らずに学ぼうとすることの怖さを、知っている人が読めば良い。将棋でも定石を覚え始めると一時的に弱くなると言われるが、似た傾向はこの本にもあるのではないか。 結局は「名文をたくさん読みなさい」という教えに帰結するのだが、手本として引用されている名文の技には舌を巻くばかり。そういう文章を真似るところから修行は始まるのだ、と先生は言う。個性とかオリジナルなんてものは、模倣を続けた後に自然と出来上がるものなのだ、と。 そうした名文を横において解説されていく文章論。名文からこうやって学んでいくのだよ、と先生は学び方の手本を見せ、名文から文章の基本を指南する。その教えを疑う人は丸谷才一のエッセイを先に読んでも良い。この人が稀代の名文家であることはすぐに分かるだろうし、こんなに面白いエッセイがあったのかと喜んでもらえると思う。 ただし、著者のポリシーを貫いて歴史的仮名遣いになっている。「かうもり」をコウモリと読める人ならまず問題ない。表記法が古いだけで、文章は新聞記事よりも平易だ。手本として引かれた名文の中には古文もあるが、古典の名文とつながりを持てるのはこの本の売りでもある。
14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
谷崎のは基本書、本書は判例集,
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レビュー対象商品: 文章読本 (中公文庫) (文庫)
谷崎の「文章読本」と本書の違いを法律書に例えるなら、谷崎のは基本書、本書は判例集といったところか。谷崎の著作にも良い文例は出ているが、量としては格段に本書の方が多い。ぼんやりしていると、どこまでが解説なのか引用なのかわからなくなる。 また、本書が書かれた時代の気分も味わえて面白かった。恐らく戦後少し経ってからだと思うが、明治憲法・現行憲法を批判する部分(特に明治憲法)は迫力があった。言葉の力を政治に利用した端的な例として私の記憶にいつまでも残るだろう。
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