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24 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
文章図鑑,
By
レビュー対象商品: 文章読本 (中公文庫) (文庫)
谷崎潤一郎氏の有名な同名異本が、書く側からの文章技巧に主眼を置いたに対して、こちらは文章を「読むため本」という意味で題名に忠実な作品かと思える。あくまでも主題は「書く事」ではなく、「精読者」への誘いなのである。日本語が古から持つ得手・不得手、構造的な解析に始まり、森鴎外と泉鏡花を近代日本文学の際立った両極の文体の持ち主と定義して、そこから長篇と短篇、カテゴリー、そして文章技巧へと解説する流れは、森から林へ、そして一本の木を辿るように体系的で非常に読みやすく解りやすい。引用されている文学作品の例文が豊富で、川端康成氏の「掌の小説」から「夏の靴」が全文紹介されるなど、まるで「文章図鑑」のようでもある。また、作家自身の個性が際立った文体に着目して載せている事も見逃せない。このように本作は、極論すれば、文章読本の名を借りた「作家論」でもあり、近代文学を楽しむための良質なガイドブックの性格を持ち合わせた優れた評論ではないかと思います。オススメ。
35 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
いつまでも心に残ります,
By カスタマー
レビュー対象商品: 文章読本 (中公文庫) (文庫)
三島の文章が大好きで読んでみました。彼が本書で挙げている文章の名人は、なんと森鴎外と泉鏡花(後者はもちろん納得)。その理由は読んでみてよくわかりました。鴎外は漢文の影響を受けた簡潔な文体が特徴。三島とは対照的なスタイルに思いましたが、「間」が命なのは同じなのですね。この10年間、この本に書かれたエッセンスが頭から離れません。
26 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
文章の美食家になりたい人に,
By
レビュー対象商品: 文章読本 (中公文庫) (文庫)
本書には文章の書き方のテクニックといったものはほとんど書かれていません。この本は、小説、戯曲、評論、といった様々なジャンルの文章をとりあげて、その文章の「味」を解説していこうとするものです。 三島はこの本のなかで、森鴎外や志賀直哉といった簡潔・明晰な文章は、しろうとには最もその味がわかりにくい、といっています。こういう文章は、料理でいえば美食家のような人でないと その味はわからないのでしょう。私も、いろいろな文章をよんで、舌を十分に訓練してから、もう一度これらの名文をじっくりと味わってみたいと思います。
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