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文明論之概略 (岩波文庫)
 
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文明論之概略 (岩波文庫) [文庫]

福沢 諭吉 , 松沢 弘陽
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

国の独立は目的なり.今の我が文明はこの目的に達するの術なり-西洋心酔と保守主義の相確執する明治初期,文明の本質を論じ,文明は文明自らに意味があるとした上で,今,最も優先すべき課題は日本国の独立であり,西洋文明を学ぶのもそのためであると説く.『学問のすゝめ』と共に,時代の展開に大きな影響を与えた福沢の代表的著作. --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

国の独立は目的なり、今の我が文明はこの目的に達するの術なり。西洋心酔と保守主義の相確執する明治初期、文明の本質を論じ、文明は文明自らに意味があるとした上で、今、最も優先すべき課題は日本国の独立であり、西洋文明を学ぶのもそのためであると説く。『学問のすゝめ』と共に、時代の展開に大きな影響を与えた福沢(1835‐1901)の代表的著作。

登録情報

  • 文庫: 391ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1962/11)
  • ISBN-10: 4003310217
  • ISBN-13: 978-4003310212
  • 発売日: 1962/11
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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17 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ちっちゃいおばちゃん トップ1000レビュアー
形式:文庫
福沢諭吉という人は、どんな堅苦しいテーマについて語るときでも、生来のお茶目なサービス精神がついつい顔をのぞかせてしまう人のようです。
「文明論之概略」もその例外ではありません。
これは、明治初頭の市井の人々に、西洋文明という未知の大波に立ち向かっていくための心構えを説いた大真面目な本…
のはずなのに、読み進めるうちに、思わずプッと噴き出す。腹を抱えて笑い転げる。
そんな、とてつもなく愉快な文章に何度も何度も出くわすのです。
特に、福沢が好んで多用する「具体的なたとえ話」は秀逸。
腕利きの落語家のような語り口に、じわじわと笑いがこみあげ、やがて止まらなくなる。
天才的な話術の持ち主だと思います。

そんな、読者にとっては非常に有難い、楽しい「特長」を持った本ですから、若い方も尻込みする必要はありません。
他のレビュアーの方も勧めておられる、丸山真男氏の稀代の名著「文明論之概略を読む」を羅針盤にしながら少しずつ読み進めば、次第に文章のリズムにも慣れて、スムーズに文字を追えるようになると思います。
とりあえずは、巻頭の「緒言(岩波文庫版だと5ページ)」にチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
簡潔な名文の中に、この書物のエッセンスが凝縮されていますから。
ここを読むだけでも、福沢諭吉という人のものの考え方とその魅力の一端を味わえるはずです。
(ただ、丸山真男氏は前出の著書の中で、「緒言」は、全巻を読了した後に読んだ方がかえって理解しやすいであろうという考えに基づき、その解説は著書の一番最後の部分で行っておられます)

色んなところで引用される「あたかも一身にして二生を経るが如く」という有名な言葉も、実はこの「緒言」の一節なのですが、このくだりを読むたび、私はある種の感動を覚えて、胸が熱くなります。
いくらふざけたことばかり言って読者を笑わせていても、この人はほんの数年前まで、洋学者を毛嫌いする刺客につけ狙われ、命の危険にさらされていた人なのだ。
そんな重い事実がしみじみと思い起こされてくるからです。
福沢にとって変化とは、実生活から離れたところでカラカラ虚しい音をたてて回る机上の空論ではありません。
幕末から明治初頭の激動期を、その最前線のところで生き抜いた人間だからこそ持てる生々しい現実感覚。
それが熱い血流となってこの書物の隅々までしみわたり、言葉のひとつひとつにも論の展開にも言いようのない説得力を与えていると、私は思います。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Utah
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 丸山眞男氏の本に「まず本書を手元に置くべし」とあったので購入。明治8年という西欧文明に接してまだ日の浅い時に、よくこれだけ博く正しく情報を集め、本質を突いた論説を展開したものだと、幕末・明治の人の勉強のすごさに驚嘆しました。福沢諭吉という人も改めて見直しました。

本書の以下のような点を興味深く読みました。

・古風家も改革家もよく相手の良い面も見て対話せよ。
 ガリレオが地動説を言ったときも異端扱いされ罰せられた。誰か一人の知見が世の中を救うことがある(例:ワットの蒸気機関)。文明とは「シヴィライゼーション」、即ち、広い人間交際により、知識開くことである。
・孔子・孟子は偉かったかもしれないが、それは昔の状況でのこと。
 徳は、本来モラルのこと。自分の周りだけでなく、パブリック/コモンズといった公のモラルを大切にしなければ、今は駄目である。
・宗教にせよ、数千年前のことを復唱しているだけ。
 それは「獣よりまし」というレベルであって、それだけでは駄目。
・日本には、本物の学問もなく宗教もない。皆、権力に骨抜きにされてしまっている。
・日本には主従しかない。公がなく私集団しかない。天皇でさえ私集団である。
 被統治者は、世の中のことを見ないし、怒らない。平等は、差別されて酷い思いをした人が作らないと本物にならない。
・日本は、実は太古の昔から変わっていない。
 統治者の名前が変わっただけで、民は全然変わっていない。戦も、民には直接関係なく、政治の善し悪しは、民にとって、天気のようである。
・天皇制に戻ったのは、単に徳川幕府では駄目だったから。民との関係はない。
・徳川幕府は、何百年もの間、経済を殆ど進歩させなかった。
 これは、稼ぐ人(商工・農)と使う人(士)を分離させたのも原因。
・軍備を増強しても意味はない。工夫・知恵で、価値を生み出さなければならない。
・何千年も染みついた日本風土なので、そう簡単には変えられない。
 筆者は現象を記述するのみしかできない。変えるのは政治の仕事。

「人間の間の対話、集合知、自治という基盤をまず作って商工業/知恵を伸ばすべし」という彼の考えは、和魂洋才/富国強兵を唱えた政府とは違う立場でしょう。

 やはり、よく短い間にここまで欧米の本質を体得したなと驚くと同時に、なぜ福沢諭吉の考えが民に理解されなかったのだろう?どうしたら理解されるのだろう、と思います。

 惜しむらくは、文体が漢文書き下し調なので、読みづらいことこの上ありません。二葉亭四迷/夏目漱石が出てくるまでは、日本には普遍的な文章が書ける、書き言葉も漢文しか無かったことが体感できます。
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 陽山
形式:文庫
福澤諭吉の最高傑作と言われているので大いに期待して読み進めたが、
本当に素晴らしかった。

現代日本にも十分に通用する思想だと思う。
最終章の「自国の独立を論ず」が特に印象的だった。
「国の独立は目的なり、今の我が文明はこの目的に達するの術なり」
と言い切っているところがすごい。

決して独善的な国家主義ではない。
国家がいかなる外からの脅威にもつぶされることなく
健全に自立していけることが重要だという意味だと解釈した。

今の日本にもそのような独立自尊の精神が必要なんです。

特に若者や学生に読んでもらいたい。
自分ももっと若い時に読みたかったと思ったので。
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