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文明論之概略を読む 上 (岩波新書 黄版 325)
 
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文明論之概略を読む 上 (岩波新書 黄版 325) [新書]

丸山 真男
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

『文明論之概略』は、福沢諭吉の気力と思索力がもっとも充実した時期に書かれた最高傑作の一つであり、時代をこえて今日なお、その思想的衝撃力を失わない。敢えて「福沢惚れ」を自認する著者が、現代の状況を見きわめつつ、あらためてこの書のメッセージを丹念に読みとり、今に語りつぐ。読書会での講義をもとにした書下し。(全3冊)

登録情報

  • 新書: 272ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1986/1/20)
  • ISBN-10: 4004203252
  • ISBN-13: 978-4004203254
  • 発売日: 1986/1/20
  • 商品の寸法: 17 x 11 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 62,212位 (本のベストセラーを見る)
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By 鈴木純一 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
「多事争論」という有名な四字熟語や「討論」、「演説」、「会議」といった新しい日本語(訳語)を産みだした本、というレベルの知識で本書を読んだが、最近読んだ新書の中でもかなり印象深いものだった。この上巻は「文明論之概略」の1章から3章までをカバー。「文明論之概略」の解説に入る前の部分も秀逸。例えば、古典をよむ意味とは何なのかが非常に明快に説明されていて大いに納得した。また、「文明論之概略」やその他維新期の知識人の本には海外のネタ本があるが、それでも彼らの仕事にはどういう独創性があったのかを論じている箇所も非常によかった。

「文明論之概略」に関しては2章が印象的だった。国の独立には国民の精神の独立が必要で、(ハードウェアや技術もいいが)文明の精神を吸収することが最も大切だとし、その精神の重要な一形態として「多事争論」のテーマが(数々の例と共に)提起される過程はスピーディで爽快。価値の多様化から、その間に競争が起き、そこから自由の空気が生まれ、習慣の力に依存できないようになり、ここから精神の働きが活発になり文明が進歩するのだというくだりは、維新まもない頃に福沢はよくここまで言えたと関心させられる。これに関連して、「自由は不自由の間に生ず」という福沢の言葉を「諸価値が多様に分化して互いに競い合うところに生まれてくる安定、そういうダイナミックな安定が本当の安定であって、そうでないのは停滞」とする著者の説明も非常に分かりやすい。また、当時猫も杓子も政治家や役人になりたがった当時の雰囲気に対抗して(価値観を多様化するために)福沢は在野精神を持ち続けたとする説明にもなるほどと思わされた。「多事争論」に関しては他にも手をかえ品をかえ、執念的なほど(福沢の)説明が尽くされている。たとえば、どんなにすばらしい説/価値でも、それしか存在しなければ、そこから自由(と発展)は生じないとか、権力による言論統制よりも画一化した(多事争論のない)「世論」の方が危険、等々。

「多事争論」以外では、「人間万事試験の世の中」(次々に試してみて問題があれば修正していく方が、尻込みして何もしないよりずっとよいというプラグマティズム)という部分も印象的。
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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
名著 2007/10/8
福沢諭吉の主著「文明論之概略」を読む読書会での講義を基にした3分冊の本。
「文明論之概略」を丹念に読み解き、順を追って解説を加えながら、明治維新
前後の日本の思想、日本人のメンタリティ、さらに現在(=1980年代半ば)
の状況にまで言及する。

丸山政治学に対する批判はよく聞くが、丸山はこういう評論的文章を書かせると
やはり抜群の腕を持っている。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 最初に断わっておくと、右派民族主義を自称する当方にとって丸山氏は本来、不倶戴天の敵である。

 しかし、福沢諭吉先生を敬愛するという共通点がある以上、礼儀として読むべきであると思い、本書を手に取る。

 本書は、丸山氏が東大で諭吉先生の「文明論之概略」をテキストにして行った講義録であると見て問題ない。上・中・下と三巻ある中で、上巻だけをまだ読んだ段階であるが、率直な感想としては「なるほど、諭吉先生はそういう事を言いたかったのか。」(正確には、「丸山さんは諭吉先生の言葉はそう解釈するのか。」かもしれないが。)と言った所。

 自身が一応、四割程度の理解ではあるが、原文に目を通しておいたので言う訳ではないが、やはり本書を手に取る前に原文のテキストは読んでおきたい。一応、読書会という形式の講義なので、音読箇所も抜粋されてはいるが、事前に読んでおけば理解度もあがるだろうし、何より「そういえば、そういう事も書かれていたな。」と思う事がモチベーション・アップにつながる。

 先述したとおり、右派民族主義を自称する当方にとっては政体、国体に関する解釈は賛成いたしかねるが、その他の点に関しては「何だかんだで丸山氏は偉かったのだな。」と思わせる。

 文体は口語的で読みやすい。というよりも、そもそも専門的な語句が多いので、そうでなければとても読めない。
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