ペリー来航を契機に、独自の江戸システムを形成していた日本も、欧米を中心にした世界システムに組み込まれて、「文明国」を目指す。天皇をいただき、憲法と国会をもち、国民国家化を推し進め、工場や軍隊を持ち、誰も学校に行く社会である。文明化、産業化、近代化に成功した日本はアジアにもヨーロッパにもなりきれず、苦難の道を模索することになる。
知識や物質、経済的な側面では日本は成功をおさめるのだが、はたしてそれは何もかもよいもので、歴史的な必然だったのだろうか。江戸までの日本が持っていた伝統や美徳を失ってまであくせく毎日働いたり、多くの戦争を戦わなければならなかったのだろうか。ヨーロッパ主導の文明化の是非を考えさせられる事例が多く挙げられている一冊である。