世界中を巨額の「お金」が飛び回る、しかも現金ではなく通信で。そこには金融の専門化たちがいます。でもそういった経済体制が今、限界に来ているのは明らかです。原子力で発電することの利点や安全性が、3.11で崩壊してしまったのも事実で、原子力の専門家たちへの信頼は地に落ちてしまいました。
そういった専門家を生む社会、巨大なシステムと利権を複雑に配置するようになった社会を、3.11を契機に見直すべきだと述べています。
例えばTPPへの参加に賛成する人が約4割、反対する人が約3割いるそうですが、個人の欲望を肯定しさらに発展(=利益)を望むのが前者であり、発展よりも成熟した社会を望むのが後者といえるかもしれません。私自身は、日本は成熟した社会をめざすべきだと漠然と考えていましたが、そう考えるようになった背景が本書で明らかになりました。
特に終章は全体をうまくまとめているので、ここから読み始めるのもよいでしょう。本文中では地震・津波と原子力という異なる災害が混然と述べられていて、やや論旨が不明瞭に感じられるところもありましたから。