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文明の接近 〔「イスラームvs西洋」の虚構〕
 
 

文明の接近 〔「イスラームvs西洋」の虚構〕 [単行本]

エマニュエル・トッド , ユセフ・クルバージュ , 石崎 晴巳
5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,940 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

独自の人口学的手法により、イスラーム圏の現実と多様性に迫る。イスラーム諸国とキリスト教系の諸国との間に存在する差異は、本質的な、本性上の違いではなく、時間的ずれに由来する差異であることを示そうと試みる。

メディア掲載レビュー

アメリカの終焉を謳い、世界的ベストセラーになった『帝国以後』の続編、緊急出版!
欧米のイスラーム脅威論の虚構を暴き、独自の人口学的手法により、イスラーム圏の現実と多様性に迫った画期的分析! --PR誌『機』

著者からのコメント

【日本の読者へ】

  ----この本がどのような論争のきっかけになって欲しいと、お考えなのですか。それから、日本の観点が重要であるのはどのような点においてなのですか。

 この本の目的は、人類がいくつかの部分に分割されているとする見方を拒否することであり、とりわけ本書は、現在定着しつつある、近代性とは西洋固有の事柄であるとする一種西洋主義イデオロギーともいうべきものと闘うものです。このイデオロギーはもちろん、西洋の対極にイスラームを置き、人類の中のイスラームという部分には、近代化の能力もなければ、民主主義を実現する能力もなく、発展の能力もないとするのです。
 それに対して本書は、イスラーム諸国とキリスト教系の諸国との間に存在する差異は、本質的な、本性上の違いではなく、時間的ずれに由来する差異であることを示そうと努めています。イスラーム諸国に大きな遅れがあることは明らかです。
 日本についてですが、日本は近代性の観念をヨーロッパの独占から救い出した国ですから、日本もしくは日本的観点はこの論争の中で重要な役割を果たします。ヨーロッパからは、日本という国は常軌を逸脱した存在と見られていました。日本の発展への努力は、一時は憫笑を誘ったものです。日本はヨーロッパ諸国と同じように移行期危機を経験しましたが、あくまでも外の国として扱われました。
 現在、現段階においては----この点は本書の中で記しましたが----日本の近代性に異議を唱えようとするものは誰一人いないでしょう。日本の近代性は単なる西洋化にすぎないと言う者は、いないでしょう。誰にとっても、日本は近代的でしかも日本的である、というのは明らかです。日本は日本のままであっても、なおかつ日本の民主主義的制度機構が存在すること、日本の科学技術能力の優れていることに、異議を唱える者はだれもいないでしょう。

  ----それではあなたは、日本人に何を期待されるのですか。

 日本に対する私の態度は常に同じです。つまり私個人としては、日本がもっと論争に介入して発言してくれるのが好ましいのです。だからと言って、発展という観点からは全体として非常に遅れているイスラーム圏を、日本と類似した存在として示そうという積りではありません。そんなことは全く考えられません。そうではなく、日本人は、論争に介入して、西洋人----つまり欧米人----に対して近代性は彼ら西洋人だけのものではないということを「思い起こさせる」のに、とりわけ絶好の立場にある、と思うのです。西洋以外にも、発展し、近代化する能力を有する大文化がいくつもあり、それは西洋の色あせたコピーであるに違いないなどと考えざるを得ないいわれは少しもないのです。

  ----あなたは日本とは特別な関わりがあるようにお見受けしますが。

 私が特別な関わりを持つ国というのは、実は二つあります(あくまでも個人的なレベルの話で、フィールド・リサーチや特殊な知識のレベルで関わりがあるわけではありません)。一つは日本で、これは私が行ったことのある国です。もう一つはイランで、私は行ったことはありませんが、大勢のイラン人と議論をするに至った経緯があります。
 日本とイランは非常に異なります。気質も違います。しかし私のフランス人としての観点からすると、この二つの文化は、非常に古い文化であり文明でありながら、近代化の過程を歩み始めた文明なのです。この類似にはしばしば心を打たれました。
(エマニュエル・トッド−Emmanuel Todd/歴史学者)
(聞き手=イザベル・フランドロワ)
"藤原書店PR誌『機』2008年2月号より抜粋"

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