月刊誌「Voice」に2年にわたり連載されていた、「写真抄」を単行本化したもの。各月1枚の写真を著者が見て、感じ考えることが述べられたエッセイ集です。芥川賞受賞の「日蝕」、「一月物語」、そして現在執筆中の「葬送」以来、表だった作品を発表していない平野氏の、久々の単行本です。現代的で、私たちに深く考えさせ、時折笑いを誘い、「クールで無口」などと俗に言われる作者の日常が時折垣間見られます。その数は未知数とも言える、平野ファンにとってはお待ちかねの一冊であり、もちろんそれ以外の人でも、「日蝕」ののイメージがある読者の「平野観」を良い意味で裏切るでしょう。「今更平野氏が書かなくても」という部分があると、一部で批評されていましたが、彼が思索し、感じたことを書くのち?エッセイであり、そのような批判が挟まる余地はないのではないでしょうか。