三笠宮崇仁親王は日本におけるオリエント研究の第一人者として知られ、数多くの著書・論文を発表している。テレビなどにも度々出演してオリエントの魅力を語っているが、難しい言葉を使わない、解りやすく的を射た説明をしていた。
この本では「オリエント」をティグリス・ユーフラテス河流域に限定せず、パレスティナやエジプトまで含めた広い意味での「オリエント」を扱っている。内容も歴史から地理・文化・美術まで多岐にわたる、とても充実した1冊だ。こうした本には時々専門用語などが多用されていて解りにくいものもあるが、この本は比較的簡単な文章で書かれていて、図版も多く含まれているので、たいへん読みやすいものになっている。最初の方で「北緯30度の線に沿って西へ目を向けていく」という着眼の仕方も、興味深い。