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文学部をめぐる病い―教養主義・ナチス・旧制高校 (ちくま文庫)
 
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文学部をめぐる病い―教養主義・ナチス・旧制高校 (ちくま文庫) [文庫]

高田 里惠子
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

戦時中はナチスにコミットし、戦後はヘッセの「よき理解者」として活躍する独文学者。しかし、それは決して“変節”などではない。“一流”を断念した、エリート=“二流”たちの誠実な仕事ではあったのだ。豊富な引用と、愛情(皮肉?)たっぷりの註釈を満載して「文学」ではなく「文学部」のメンタリティを鮮やかに浮かび上がらせる。ますます大衆化する現代日本の中で、内なる“二流”を抱えたすべての人にささげる哀感コメディ。

内容(「MARC」データベースより)

あなたは、ヘッセ「車輪の下」の最初の翻訳者がどういう人物だったか、知っていますか? 「二流」の男たちの悔しさ、怨念、悲哀、出世欲、自覚なき体制順応から見た、「文学部」の構造とそのメンタリティ。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 414ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2006/05)
  • ISBN-10: 4480422153
  • ISBN-13: 978-4480422156
  • 発売日: 2006/05
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
ケストナーの少年小説やヘッセの青春小説を読んだ人なら、高橋健二は親しい名前だ。翻訳をほぼ独占、訳文は非常に読みやすく後書きもジンとさせた(?)。その彼が第二次大戦中、大政翼賛会文化部長をつとめ、ナチス文学の紹介者だったことを知ると、ガンと一発食らった感じにもなる。ヘッセはともかく、ケストナーといえばナチスによる自著を含めての焚書に逢い、ゲシュタポの厳重監視下にあった作家だからだ。一体どのツラ下げてケストナーと一緒の写真に写った?。…が話はそんなに単純ではなかった。高橋は東大独文科を卒業後、旧制高校のドイツ語教師をしながらジャーナリズムにデビューする。学者ではないがゆえの身の軽さでは翻訳・評論を量産し、「車輪の下」の本邦初訳(1938年!原作は1906年)では!-§制高校生たちのハートをガッチリつかんだ。ナチスを賛美する一方、ケストナーには翻訳の印税を送ってもいる。要するに2重スパイなのだ。この2重スパイを天真爛漫に演じきったところが、高橋健二の偉大な凡庸性(?)ということか。ここに旧制一高・東大独文科という、国家の支配装置をまわすためのドイツ語教師養成機関における文学との相克、教授陣とのキッタハッタ(ホントの殴り合いもある!)、いろんな文学者からの引用・逸話(注が左ページにまとまっているのでつい読んでしまう)が満載されていて、文学部って、文学部教授ってナンなんだ?という感じだ。いまジャーナリズムで活躍中の文学部教授たち、事態はますます拡大再生産されている。
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24 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By AZ
形式:単行本
これを文芸評論といっていいのかどうか良く分からないが、斎藤美奈子の『妊娠小説』以来の面白さであった。

あとがきにもあるように著者は決して大正教養主義を、ナチスへの加担を、旧制高校のエリート主義を断罪してよしとしているわけではない。ただ、それなりに優秀な独文学者たちがそれなりに誠意をもって仕事に取り組んでいるさまを、若干皮肉交じりに著しているだけである。筆致が淡々としている分、ここに書かれている独文学者たちの悲哀が切々と感じられてくるというものだ。しかし、それを笑ってしまう読者としての自分はいったい何なのだろう?

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27 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
この本は、著者も言うとおり、決して暴露本として、ないし告発本として出版されたわけではない。
著者は、第二次世界大戦中の東京大学ドイツ文学科を中心に据えつつ、

「文学部をめぐる」と題されているように、独文科を含む文学部という学部において、哲学、文学等の非社会科学系の学問を専攻・研究している者達が、社会性を欠き(ないし社会性に無頓着であるがゆえにかえって)視野狭窄に陥ってはいないだろうか? という、現代的な問いを投げかけているのである。

個人的には、まだまだこの本に書かれたようなホモソーシャルな男性中心の(独)文学体質の問題を知ることができ、
もっと他のかたちもありえるはずだ、と相対化することができ、参考になった。

文学部を志す人、文学部に入って違和感を感じている人には是非読んで欲しいが、最も読んで欲しいのは、今の文学部の体質に満足しきっている人、疑いすら抱いたことのない人たちである。

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だから、どうだって言うの?
「車輪の下」「青春はうるわし」「春の嵐」「デミアン」、「ゲーテ詩集」「ゲーテ知と愛の格言集」の訳者・編者高橋健二が、あろうことか戦中大政翼賛会文化部長を務め、戦後... 続きを読む
投稿日: 12か月前 投稿者: 町田の丘
言葉の真の意味で<重たい>本ですね。
ちょうど1900年代の初めに生まれ、旧制高校から帝大文学部を
でた有名「文学者」「語学教師」の方々の、太平洋戦争中また戦後... 続きを読む
投稿日: 24か月前 投稿者: 八王子狭間タウンズシニア
暗くウェットな告白本(文学部必携)
めっちゃ面白かった。でもかなり重いです。
ガンに犯されたエリートを主人公にした悲劇の物語。... 続きを読む
投稿日: 2008/9/17 投稿者: 白頭
何について書いているのか、さっぱりわからない
個人的に教養と言うものにこだわりがある一方で、教養の意味が漠然としすぎて何なのかがよくわからないため、タイトルにある「教養主義」に引かれ購入してみたのだが、本書で... 続きを読む
投稿日: 2008/7/7 投稿者: 江口哲学
読ませる
ドイツ文学は全くの門外漢であり、高田氏の著作を手に取るのも初めてであったが、この佳作には感服した。文学部≠文学であるどころか、相当の隔たりがある。その隔たり、つま... 続きを読む
投稿日: 2008/2/15 投稿者: zigeunerweisen
文学部というよりはドイツ文学者中心
... 続きを読む
投稿日: 2007/9/12 投稿者: 海老庵
「文学部」という病い
私は「文学者」を父に持ち、芸術家(書道家、彫刻家、大学教授、画家など)に囲まれて育った。いずれも世間に名の通った名士であり、彼らが国立にある私の自宅によく参集して... 続きを読む
投稿日: 2007/5/2 投稿者: 塩津計
冷静に文責
高田里惠子は、自分を俎上にあげて堂々と論じていく。
反抗、翻弄、自己嫌悪の悪魔のような自意識のローテーションを... 続きを読む
投稿日: 2007/3/8 投稿者: 音ランド
フェミ的読み替え
二流という「界」のなかで葛藤し懊悩する知識人たちの悲喜劇が描かれる。なるほど、著者がいうように教養主義を土台にしたこうした「界」は、大衆社会化とともに半端な人間た... 続きを読む
投稿日: 2006/6/17 投稿者: かがりひらく
「二流」という同語反復
「本書は「二流ということ」、そしてその悲哀についての研究である、と答えたい。」とは、著者の弁。... 続きを読む
投稿日: 2006/6/1 投稿者: 沈思黙考
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