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文学論〈下〉 (岩波文庫)
 
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文学論〈下〉 (岩波文庫) [文庫]

夏目 漱石
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

のっけから公式F+fなどと、強面の文学講義。Fは認識の焦点や事実、fは情緒で、合せて文学の内容だと言うのだが、後半は表現の関係や聯想・語法を探り、豊富な実例でもって文学の面白味を解明。世界文学を読む視点から書く方法へと導いていく。

登録情報

  • 文庫: 484ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2007/4/17)
  • ISBN-10: 4003600150
  • ISBN-13: 978-4003600153
  • 発売日: 2007/4/17
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
●本書はまちがいなく「漱石のすべての著作の中で、読まれることの最も少ない本」(解説P429)である。私も、これまで読むのをずっとためらってきた。漱石本人が「失敗の亡骸(なきがら)」というくらいだから(私の個人主義 (講談社学術文庫 271))どうせ面白くないんだろう――と思ってきた。

●ところが、実際に読んでみると、なるほど「漱石自身の文学的価値観」(P454)というものが直截的によく出ていて漱石ファンにとってはなかなか興味深い。だが、通読には相当な「辛抱」(P444)が要ったことも事実である。上巻だけ買って挫折した読者もきっと多いにちがいない。

●しかし、下巻の最後にある亀井俊介氏の「解説」は、通読の苦痛を補って余る素晴らしさだった。そのことをお知らせするために、本書のレビューを下巻に書く。これは、私が知るかぎり漱石文学のもっとも優れた紹介文のひとつと言って良いだろう。

●亀井氏の言うとおり、この「文学論」は実にでこぼこしていて「とっつきにくい」(P470)。しかし、それは漱石がひとりロンドンで全身全霊を賭して悩み考え抜いた記念碑なのである。気負い、混乱、なにかをがっちり握りたいという焦り、本書に垣間見るそうした漱石の若々しさと真面目さを私は愛さずにはいられない。
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