文学研究者を巡るエピソードを羅列しながら、「なぜ俺を一流大学で雇ってくれないんだ!」という「私怨」を綴った本。「私怨だ」と著者自身が書いている。他のレヴューにもあるとおりゴシップ本といっていいが、ゴシップ目当てであれば、それなりに楽しめるかもしれない。
ただ他のレヴューで大々的に批判している平井正穂のエピソードは、本書で取り上げられた数あるエピソードのほんの一つに過ぎないので注意が必要だ。レヴューを見ると、まるで本書が平井批判を主として書かれたもののように誤解されかねないので、一応書いておく。もちろん、わずか数行でも関係者にとっては許しがたい内容なのだろうが、だからといって「たとえ著者の言うことが事実だったとしても」死者に鞭打ってはいけないなどという暴論を吐くのはいかがなものか。事実なら当然批判に値する。こんな弁護をしたのでは、かえって平井を貶めることになるだろう。
著者の「私怨」は、正直、読んでいてあまり気持ちのよいものではなかった。こういう内容とわかっていれば、わざわざ買って読むこともなかったかもしれない。タイトルからも、帯の文句からも、この肝心の部分が読み取れないので、購入を考えている人間のために、ここに記した。