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文学フシギ帖――日本の文学百年を読む (岩波新書)
 
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文学フシギ帖――日本の文学百年を読む (岩波新書) [新書]

池内 紀
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

鴎外・牧水・百から三島・寺山・春樹まで、いずれ劣らぬ腕利きぞろい。様々な「フシギ」を秘めた作品に、当代随一の読み巧者が挑む。何度も読んだ作品を「発見」し、埋もれた作家の才能に震え、飛びかける想像をわがものとして経験する。読めば世界を見る眼がかわる、文学の魅力満載! 老若男女におすすめの文学フシギ入門。

内容(「BOOK」データベースより)

鴎外・牧水・百〓(けん)から三島・寺山・春樹まで、いずれ劣らぬ腕利きぞろい。さまざまな「フシギ」を秘めた作品に、当代随一の読み巧者が挑む。少し違った角度からあの名作を眺めてみると、思いもかけない新たな魅力が見えてくる。読めば世界を見る眼がかわる、文学の魅力満載!読者力を鍛える、老若男女におすすめの文学フシギ入門。

登録情報

  • 新書: 224ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2010/7/22)
  • ISBN-10: 4004312612
  • ISBN-13: 978-4004312611
  • 発売日: 2010/7/22
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By これでいいのだ トップ500レビュアー
形式:新書
 夏目漱石に「吾輩は狸である」と言うほかない短編があった、臨終に唯一立ち会った若山牧水が見た石川啄木の激しさ、北原白秋の「落葉松」が示す驚くべき技巧、宮沢賢治が書いた自著の広告チラシ、梶井基次郎の単調で貧相な食事日記、軽井沢で堀辰雄が使ったステッキ……。

 近現代日本文学の53人をめぐる、老練にして軽快な、「奇をてらった」文学随想集とでも言うべき1冊。北海道新聞に4年にわたって連載したシリーズを編集したものらしく、副題の「日本の文学百年を読む」に従えば、戦後から近年に至るまでが少し薄味で、戦前までの列伝風の一群の面白さがまさっている気配。作家群それぞれの作品群が、着実な古典へと成熟してきたゆえかも知れない。ともあれ、文字通り不思議な味わいの、練達のエッセイストによる、闊達自在な207頁だった。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
池内さんは1940年生まれのドイツ文学者。30年位ドイツ語、ドイツ文学を大学で教えていた。カフカとかゲーテとかについての他、エッセイを沢山書いている。

「モーツャルトの息子」(光文社文庫)で・・史実に埋もれた愛すべき人たち(実在しながらも歴史の中に消えていった30人の数奇な運命)・・を描いているが、これを書く素材をどこの文献で見つけたのだろう・・と驚いてしまった。

よほどの文献収集力と分析力を持っている人だな・・との印象。ところがまたまた、この「文学フシギ帖」で驚かされた。素材は「専門外?」の日本文学。「鴎外から春樹まで」まな板に載せ鮮やかに料理してみせる。元々は北海道新聞に連載したエッセイで、紙面の制約から作家一人についてのコメントは新書の3ページ程度。この短文で、「文学のフシギを作り出す研鑽に励んでいた人物たち」に次々とスポットライトを浴びせる。

詳しくは読んでみて!というところだが、以下感心した部分を数箇所。( )内が私の感想。*「伊豆の踊り子」の主人公の一高生と芸人一行マネジャー栄吉の交差:(うまい!)*開高健の「飢え」の記憶:(なるほど!)*寺山修司のいたずら:(啄木のパロディーを作っている!)*「強い女」:(与謝野晶子と須賀敦子についてそれぞれ書いてある・・(なるほど!)。*金子光晴の詩集「鮫」の読み方:(反戦詩なんだ!)*久保田万太郎と湯豆腐:(鮮やか!の一言)。

いやはや、名人の居合い切りを目前に見る感じです。
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日本文学再見 2012/3/27
形式:新書
文筆を生業とでもしない限り、成人してからも明治以降の日本の文学作品を日常的に読む人は多くないだろう。文学作品は若い人のものとされ、若いうちに読まれることが多い。しかし、その結果としてせっかくの作品が正当な読まれ方をしないまま記憶の隅に放り込まれていないだろうか。
本書は副題にあるように、ほぼここ百年の作家51人について、それぞれ新書版3〜5頁で寸評を加えたものといえる。寸評というのでは舌足らずに過ぎる。その寸は「寸鉄人を刺す」たぐいのものだからである。読者はさして労することなく、作家たちがあるいは生命を賭すまでに思いつめたかもしれない作品の背景を垣間見ることができ、あらためて自分が読み落としてきた多くの事柄の一端を知るだろう。
たとえば「高村光太郎の贖罪」という項目がある。それを彼の戦争協力、戦意高揚のための詩篇に対する贖罪と受け取る人は意表を突かれる。相思相愛の若い男女の愛情を謳いあげた「樹下の二人」を冒頭に置いた『智恵子抄』は完成までに30年の歳月を要した。その題名になぜ「抄」の文字があるのだろうか。著者はそこに描き得なかった二人の間の真実に対する光太郎の贖罪の意識があるのではないかという。
それぞれの項目はきわめて短いから読者は関心のある作家の項目を書店で立ち読みすればすむかも知れない。しかし、頁を繰るにつれて、立ち読みだけでは気がすまなくなる文学愛好家は少なくないことと思う。
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